三瓶自然館が大久保間歩でコウモリ調査

集団冬眠するユビナガコウモリを確認する三瓶自然館の学芸員ら=大田市大森町
 世界遺産に登録された大田市大森町の石見銀山遺跡で二十一日、島根県立三瓶自然館が最大の坑道・大久保間歩のコウモリを調査し、この冬初めて、ユビナガコウモリの集団冬眠を確認した。同館は坑道内の環境保全を市に要請する一方、コウモリの生態を理解してもらう狙いで市民らの見学会開催も提言する。

 大久保間歩は石見東部で最大規模のコウモリの冬眠場所。遠くは山口県の秋吉台からも集まり、ユビナガコウモリが一冬平均で三千五百匹、最も多い年は八千匹が越冬する。

 大田市は、同遺跡が環境と共生する鉱山として登録されたことを重視。来春からの一般公開を前にコウモリの生態を解明する一方、乾燥の進展など坑内環境の変化に伴う崩落防止などを目的に、自然館に調査を依頼した。三月まで行う。

 同日は、大畑純二主席学芸員(59)ら五人が入坑。大久保間歩奥の岩壁一・五メートル四方にユビナガコウモリ約二千三百匹が固まっているのを確認。光を受けると、少し動き「キュッキュッ」と鳴いた。散らばった状態で、キクガシラコウモリ計五百匹とモモジロコウモリ計十五匹も数えた。三種とも県の準絶滅危ぐ種になっている。

 大畑主席学芸員は「冬眠期に大勢の人を坑内に入れると影響が大きく、避けてほしい。ただ、生き物から見た大久保間歩の大切さを理解してもらうために、限定的な見学会の開催も提言していく」と話した。

2007年12月21日 無断転載禁止