石見銀山遺跡 バス路線で落石

龍源寺間歩に向かう市道銀山線に落ちた石=大田市大森町、同市提供
 世界遺産に登録された大田市大森町の石見銀山遺跡で二十五日早朝、龍源寺間歩に向かう市道銀山線で落石が見つかり、市は同間歩行きのバス路線を短縮運行し、緊急調査を始めた。一帯は一週間前、同町自治会協議会が危険性を指摘、落石防止の安全緊急対策を求めていた。原因に急増した観光客を運ぶバスの振動が考えられ、市は振動による影響も調査する。

 同間歩の約五百メートル北東で、市道と遊歩道の交差点から十メートル北東の地点。石は長さ一・一メートル、幅五十センチ、厚さ二十五センチで重さは約八十キロ。二十四日夕に、北側の三メートル上のがけから、市道中央に崩落したとみられる。

 同市は市観光協会と大森町消防分団、石見交通とで現地対策会議を招集。落石の危険がある新切間歩から福神山間歩まで三百メートル区間で、市と龍源寺間歩の管理会社の職員が打音で浮き石を調べ、あれば除去する緊急調査を決め、付近一キロを通行止めとした。

 また、落石地点を回避するため、遊歩道を歩くよう観光客を誘導。龍源寺間歩行きのバスは初便から一キロ手前の清水寺前駐車場でUターンする運行に切り替えた。

 同区間は、がけが険しく、昨年五月に福神山間歩で落石が発生。市はパトロールを強化し、今春の黄金週間前に落石の恐れがある浮き石を一部除去していた。

 龍源寺間歩は遺産登録後に観光客が急増。ピーク時は幅三メートルの市道を路線バスが一日六十往復する。町自治会協議会は十八日、「バスの振動が落石の危険性を増す」と竹腰創一市長に安全緊急対策を申し入れていた。



危険性指摘した直後 地元自治会、早急対策要請

 大田市大森町の市道銀山線で、懸念された落石が現実となった二十五日、同町自治会協議会の松場大吉副会長は、緊急調査の期間中だけでなく、安全性が確認されるまで、住民を除き車両と歩行者を通行止めとする必要性を指摘した。

 松場副会長は「心配が実際に起こり、心を痛めている」とした上で「遠来からの来訪者が安心して歩ける世界遺産の環境整備が地元の責任」と強調。人身事故が生じる前に早急な対策を市に求めた。今後は、同協議会と大田市、石見交通の三者が同じテーブルにつき「より素晴らしい世界遺産にするために協議したい」とした。

2007年12月26日 無断転載禁止