島大が石見銀山のジオパーク構想を推進

空から見た大森町の町並みや仙ノ山、山吹城跡などの石見銀山遺跡=大田市
 世界文化遺産に登録された大田市の石見銀山遺跡について、島根大総合理工学部の赤坂正秀教授らが、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が提唱するジオパーク(地質遺産)の国内初の認定を目指している。地質学的に重要な地域を教育や観光に生かす取り組み。同教授は「認定で歴史と科学の両面から価値ある遺産と世界に宣言される」と意欲を燃やし、五年以内の認定を目標に掲げる。

 ジオパークは、ユネスコ生態・地球科学部門を事務局とし、各国の科学者らが二〇〇四年に設立した世界ジオパークネットワークが認定する。中国河南省の雲台山地質公園など十七カ国で五十三地域が認定されている。

 国内では、北海道の洞爺湖周辺など十三地域が名乗りを上げており、日本地質学会が近く日本ジオパーク委員会を設けて国内候補を絞り込む。

 赤坂教授と高須晃教授らは、昨年十二月、同大で島根の地質遺産を取り上げる「山陰・島根ジオパークシンポジウム」を開催。島根では石見銀山遺跡を中心に構想を進めるのが現実的とし、国立公園・三瓶山や石見銀山の鉱床ができる元となった大田市の大江高山などを区域に考える。

 両教授らが三月末までに山陰・島根ジオパーク構想(仮称)を策定。大田市と連携しながら、ガイド付き観察ツアーや、自治体、研究者、NPOなどによる運営組織の確立など認定基準を満たすように取り組む。

 赤坂教授は「ジオツーリズムで交流人口を拡大したい。研究者が継続的に訪れるフィールドとして提供することを考え、地質遺産を教育に生かしたい」と意気込む。

 日本地質学会でジオパークを担当する産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の渡辺真人主任研究員は「石見銀山は文化遺産だが、地質の動きで銀ができたことなど、さまざまな見どころがあるとアピールできる」と期待する。

2008年2月1日 無断転載禁止