石見銀山遺跡に2億1400万円

 大田市の石見銀山遺跡の世界遺産登録を受け、島根県教育委員会は二〇〇八年度に、これまで東西交流の歴史や鉱山構造の解明が主だった調査研究を、最盛期の銀山周辺の社会構造や鉱山技術、動植物などに拡大する。また、世界遺産登録の際に「環境」がキーワードになったことを踏まえ、自然への負荷の少ないエコバスの導入費に対する助成など、同遺跡を未来に継承するための施策、事業に一段と力を注ぐ。

 島根県の〇八年度一般会計当初予算案に「未来へ引き継ぐ石見銀山保全事業」として、前年度比五千九百万円増の二億一千四百万円を計上した。

 このうち、三千五百万円は、国が石見銀山遺跡を図柄にした記念貨幣の発行益として、県へ配分する交付金が財源。県教委は全額を、観光客を運ぶ路線バスに代わり、エコバスの導入を予定する大田市へ助成する。

 このほか、大田市が今秋の完成を目指す石見銀山世界遺産センターの整備、運営費に、約四千四百万円を補助。今春から一般公開する大久保間歩や遊歩道の整備の国庫補助事業の県負担分として、約七千五百万円も盛り込んだ。石見銀山基金に対する財政支援も行う。

 一方、調査研究では、世界遺産にふさわしい価値の証明を主眼とした従来の取り組みから、価値を高めると同時に、分かりやすく説明するための基礎研究へ移行。

 世界遺産登録時に、国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会が求めた東アジアの他の鉱山との比較研究や、石見銀山が最も隆盛した戦国後期-江戸初期の鉱山経営、植生、採鉱技術の解明なども、テーマ別に深める。

2008年2月15日 無断転載禁止