大田で石見銀山と女性史の講演会

石見銀山で生きた女性たちの暮らしについて講演する仲野義文館長=大田市大田町、サンレディー大田
 大田市の石見銀山遺跡の世界遺産登録を記念した講演会が二十四日、同市内であり、石見銀山資料館の仲野義文館長が江戸時代の銀山の女性について講演し、鉱石から銀を取り出す技術労働を担って生計を立てたことを紹介した。

 仲野館長は、封建制度で男性中心の時代背景を説明し「坑道内に女性が入ることは許されなかった」と指摘。工程で唯一、銀の知識を持つ女性が鉱石を砕いて銀を取り出す選鉱を担い、一日働き米を一升九合買える賃金を得ていたと報告した。

 さらに、江戸初期の石見銀山の地役人・吉岡出雲が遺言状に「間歩の採掘権を妻に与える」と記したことから、女性が財産を相続する権利を持っていたとの新たな研究成果を披露した。

 一方で、江戸後期の地役人・阿部光格の日記からお手伝いの女性は一日働いてもそば一杯を買えず、男女の賃金格差は十倍だったと紹介。男性労働者は賃金は高かったが、過酷な労働と鉱山病で短命だったと解説した。

2008年2月24日 無断転載禁止