自然との共生実態解説 大田で石見銀山講座

石見銀山資料館の仲野義文館長の講演を聴く市民ら=大田市大森町、石見銀山世界遺産センター
 世界遺産に登録された石見銀山遺跡を多角的に学ぶ第4回石見銀山学講座がこのほど、大田市大森町の石見銀山世界遺産センターで開かれた。登録時に自然との共生が高く評価されたのに関連し、石見銀山資料館の仲野義文館長が江戸中期、銀山本体でクリを植えたことを報告。「資材を再生産する産業目的で、重要施策だった」と解説した。

 官民でつくる石見銀山協働会議と同市、市教委が主催し、90人が聴講した。

 講演で仲野館長は、代官所が坑道の崩落を防ぐために使った留木(とめぎ)用の大量のクリ材などを周辺の村に供給させ、買い上げた資材調達システムを紹介。江戸中期に村々で森林資源が枯渇したため、農民が仙ノ山栃畑谷などで植林したとし「銀山は人々の知恵と豊かな自然に恵まれたから発展した」と説いた。

 石見銀山の植生をテーマに講演した県立三瓶自然館の井上雅仁学芸員は、江戸期からの里山利用の名残で、山城が築かれた矢滝城山に登るとコナラ林が残っている現状を報告。江戸期の人々が再生産が早いコナラの特徴を十分理解した上で、炭づくりに生かしたことを説明した。

2008年3月11日 無断転載禁止