石見銀山の裏話語る

「石見銀山裏話」と題して講演する西本俊司さん=大田市大田町、大田市勤労青少年ホーム

世界遺産に登録された石見銀山遺跡を学ぶ未来塾講演会が十二日、大田市勤労青少年ホームであった。石見銀山ガイドの会前会長の西本俊司さん(74)が講演。石見銀の輝きの裏で、命を削った採掘者の苦労や戦乱で被った朝鮮民衆の受難を説き、市民ら五十人が歴史に思いをはせた。

西本さんは、龍谷大文学部を卒業後、県内で中学校教員を務め、大田小校長を最後に退職した。十三年に及ぶガイドの豊富な経験と知識を持ち、銀山の地元大森町にある西本寺住職。

「石見銀山裏話」をテーマに西本さんは、石見銀山が豊臣秀吉や徳川家康など時代を動かした権力者の貴重な財源となったが、地下坑道で銀鉱石を採掘した人々の平均寿命が三十歳だった、と説明。「粉じんで呼吸困難となり、地獄を見る思いで働いた」と指摘した。

さらに、秀吉が二度にわたり軍勢を派遣した朝鮮出兵では、石見銀が報奨金に使われ、武将らは戦功の印として朝鮮民衆の耳や鼻をそぎ、塩漬けにして日本に送った史実を紹介。京都市に現存する「耳塚(鼻塚)」はそれらを供養した史跡で「石見銀山と無縁ではないことを知り、銀の功罪を実感した」と述べた。

2008年4月12日 無断転載禁止