石見銀山遺跡で電気バスの試乗会

試乗のため、電気バスに乗り込んだ地区住民たち=大田市大森町、銀山公園
 世界遺産に登録された大田市大森町の石見銀山遺跡で十七日、環境負荷が少ない電気バスの試乗が始まった。十八日まで地区住民ら百五十人が乗車し、乗り心地などを体験。同市は、観光客の利便性と、住民の足確保なども視野に、複数台を導入する方向で検討する。

 観光客の人気スポットの龍源寺間歩がある銀山地区では、登録で急増した来訪者を運ぶ路線バスの排ガス、騒音問題で二〇〇七年末、同町自治会協議会が廃止を要望。市は三月、同間歩と銀山公園の区間で十月から路線バスを廃止する方針を決めた。

 今回、別の移動手段を模索し、電気バスの運行実験を実施した。

 電気バスは北陸電力が中心となって開発し、乗車定員は二十八人。一台の価格は充電装置を含め七千五百万円程度で、フル充電すると時速四十キロで七十五キロ走行する。百キロ走行当たりの充電費用は四百円。

 この日は、住民と大森小学校児童ら九十人が銀山公園と清水寺前駐車場の区間などで乗車。静かで滑らかな乗り心地を体感した。

 銀山地区自治会の山下幸弘会長(70)は「排ガス、騒音がなく石見銀山にふさわしい。福祉バスとして活用し、住民も利用できれば一番良い」と早期導入を望んだ。

 竹腰創一市長は、広い遺跡で観光客の足を確保する上で、三-五台が必要になるとの見通しを提示。「導入すれば環境面が改善される。住民の意向などを踏まえて検討する」と話した。

 市は導入の財源として石見銀山基金や国の支援、制度の活用を想定。ただ、北陸電力などが開発した電気バスは一台しかなく、生産に七カ月程度かかるため、実用化は来年になる見通し。

2008年4月17日 無断転載禁止