直木賞作家の古川薫氏が石見銀山取材

高橋一清観光文化プロデューサーと釜屋間歩周辺を訪れ、石見銀山の歴史に思いをはせる古川薫氏(左)=大田市大森町
 世界遺産に登録された大田市大森町の石見銀山遺跡を七日、直木賞作家の古川薫氏(82)=山口県下関市在住=が取材で訪れた。石見銀山と松江を題材にした歴史時代小説を六月から、山陰中央新報紙上に掲載する予定で、遺跡の奥深い歴史に触れながら、創作意欲を高めた。

 新聞小説は、遺産登録一周年と松江開府四百年祭を記念し、松江観光協会の高橋一清観光文化プロデューサー(63)と山陰中央新報社が連携して企画。高橋氏が文芸春秋に勤務していた時から懇意の古川氏に執筆を依頼し、快諾を得た。

 古川氏は山口新聞編集局長を経て作家活動に入り、「漂泊者のアリア」で直木賞を受賞。石見銀山の領有を争った戦国武将・大内氏や毛利氏などの歴史時代小説を多数、著している。

 新聞小説のタイトルは「白銀軍記」。銀山の争奪戦をめぐり、毛利元就の女忍者が尼子側の銀山で敵情視察をしたり、銀山の採掘者が尼子側の松江の白髪城攻めに貢献する様子などが描かれる。六月から週一度、十回程度掲載される予定。

 この日、古川氏は高橋氏と石見銀山資料館などを見学。最大の坑道・大久保間歩では「規模や採掘跡がすごい。世界遺産になって当然」と驚いた。同町への訪問は約十年ぶりで「町並みに風格ができた。住民の風土への誇りが風景ににじみ出ている」と称賛。「石見銀山を舞台にしたスペクタクルと人間の愛憎を書きたい。歴史を掘り起こし読者に喜んでもらえる面白い作品を工夫したい」と意欲を燃やした。

2008年5月7日 無断転載禁止