遺跡に残る鉱石 銀の含有率分析

携帯型蛍光エックス線分析装置で鉱石の銀の含有率を非破壊分析する鳥越研究員(右)=大田市大森町
 世界遺産に登録された大田市大森町の石見銀山遺跡で二十一日、九州国立博物館環境保全室の鳥越俊行研究員(37)らが、遺跡に残された鉱石の銀の含有率を科学分析で調べた。調査を継続し、江戸時代に採掘された銀鉱石の品位の解明を目指す。

 鳥越研究員は、島根県の調査で一九九七年から九八年、同遺跡の仙ノ山で約六百五十の間歩を調査。石見銀山では江戸時代、鉱石一トン当たり一キロの銀を採掘したとされており、証明のために昨夏から地表に残る鉱石の銀の含有率分析を始めた。

 鳥越研究員は九州大総合研究博物館の中西哲也准教授(37)らと四人で本谷地区入り。鉱石にあてるだけで、金属の含有率が分かる最新の携帯型蛍光エックス線分析装置を用いて、捨てられた鉱石や銀鉱脈に沿った坑道入り口付近を調べた。

 同装置は、鉱石や遺跡を壊さず現場で即座に分析でき、遺跡保存と調査が両立するメリットがある。従来の分析で、仙ノ山山頂付近の石銀(いしがね)地区では、捨てられた石が一トン当たり二キロの銀を含む品位であることが判明している。

 鳥越研究員は「科学分析で鉱石の品位の分布などを解明したい」と意欲を示した。

2008年5月22日 無断転載禁止