(6)腰椎椎間板ヘルニア

無理な姿勢避け負担軽減

 今回は腰痛を起こす腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニアについてです。椎間板は髄核という中心部分を、線維輪と呼ばれる組織で外周を覆う構造で、二本足で歩く人間にとって非常に重要な役割があります。

 椎間板の機能は腰の骨をつなぎ留め、腰の動きを滑らかにし、体重を分散させることで負担を和らげる働きがあります。椎間板のうち最も荷重がかかり、大きな動きが必要な腰と骨盤との移行部に老化や中腰などの悪い姿勢で過剰な負担をきたすと、ヘルニアになりやすいといわれています。

 真っすぐに立った姿勢での腰部の負担を基準にすると、中腰では一・五倍、いすに座っての前かがみでは約二倍の負担がかかり、長時間デスクワークをする人や長距離を運転するドライバーなどに多く見られる病気といえます。本来ヘルニアとは「飛び出す」といった意味があり、線維輪から中にある髄核が飛び出し、周りの神経を圧迫した状態を椎間板ヘルニアと呼びます。

 ヘルニアになると腰痛だけでなく、腰から足先にしびれや痛みが生じ、触った感じが鈍い、力が入りづらいなどの症状が出ます。ここでいう腰痛は椎間板の負担が増す前かがみの姿勢で痛みが強くなるのが特徴です。

 予防は、中腰や無理な姿勢を避けるよう心掛けることが重要です。年齢とともに弱っていく腹筋や背筋の鍛錬、ストレッチもよいでしょう。激しい痛みのある場合、基本は安静ですが、コルセットや帯などでおなかを締め付けると腹圧が高まり痛みが軽減します。

 しかし、コルセットを安易に長期間使うと徐々に腹筋が弱くなる可能性もありますので、痛みが軽減したら腹筋を鍛える運動を取り入れた方がよいと思います。現在は運動などの保存療法によって約90%の割合で症状が改善されるといわれています。症状が出る前から対策、体づくりに気を配りましょう。

   (松江医療福祉専門学校理学療法士科専任講師・宮川孝芳)

腹筋を鍛える運動。あおむけでひざを立て、へそをのぞくように少し肩を浮かせる
ひざを抱えて丸くなり、硬くなった背中の筋肉を引き伸ばす運動(上)と腹筋を鍛える運動。あおむけでひざを立て、へそをのぞくように少し肩を浮かせる

2008年5月24日 無断転載禁止