(3)更年期障害/環境や体の変化が要因

更年期障害の原因や症状について話す佐藤宗保診療部長
 松江市立病院 佐藤宗保診療部長

 更年期は、体の機能に大きな変化が生じる時期です。特に女性は身体的、精神的な違和感がさまざまな形で現れやすくなり、健やかな生活を送るためには適切な治療が大切になってきます。更年期障害について、松江市立病院の佐藤宗保診療部長(産婦人科)に聞きました。

 -更年期は何歳ぐらいの時期ですか。

 「更年期は、卵巣の機能が衰え始め、女性ホルモンの分泌が減少する閉経時期の前後五年くらいの期間を指します。日本人女性の平均閉経年齢は五十歳くらいとされていますので、四十五歳から五十五歳が更年期といわれていますが、個人差があります」

 -更年期障害が起こる原因と症状は。

 「女性ホルモンの減少に加え、加齢による体全般の変化、更年期ごろに直面する子どもの独立や結婚、家庭内のさまざまな出来事といった環境の変化が要因となって症状が引き起こされます。ホルモン分泌のバランスが崩れ、肩凝りや疲労感、頭痛や顔の火照り、のぼせ、動悸(どうき)、発汗、睡眠障害などのさまざまな症状が出ます。身体的症状と精神症状が交じって現れ、強さや期間は人によって違います」

 -診断方法は。

 「婦人科では、問診や一般的な身体検査、血液検査、女性ホルモンの測定を行い、症状の程度を点数化した簡略更年期指数検査でも診断します。症状によっては婦人科以外の科でも検査してもらい、心疾患やうつ病などの病気がないか確認します。身体症状に応じた疾患が見つからない場合は更年期障害と考えます。複数の科で検査して異常がないからと、やっと婦人科を受診する人が多いのですが、更年期の年齢で複数の症状がある人は最初に婦人科を受診するとよいでしょう」

 -どのような治療を行うのですか。

 「精神・心理面のカウンセリングを行い、症状に応じて、不足しているホルモンの補充や漢方療法、安定剤の使用を組み合わせます。必要な治療は個人で異なるため、十分な説明の上で決定します。栄養や運動などの生活指導も行うことがあります」

 -女性ホルモンの減少は、ほかの病気にも影響しますか。

 「更年期との関連が強い病気に、骨粗しょう症があります。閉経後は、カルシウムの吸収を助ける働きがある女性ホルモンの減少とともに骨量が大きく目減りします。骨量は三十歳までがピークで、以降は減少するため、若い時にカルシウムの摂取を心掛け、骨量を増やしておくことが大切です」

 -更年期になって日常生活で心掛けることは。

 「生活環境の変化などから受けるストレスをコントロールできるよう自分自身で努めることが大切です。一生懸命になりすぎず、趣味を楽しんだり、人と交流したりするのもよい方法です。人生八十五年とすれば、更年期後の約三十年を健康に生活するためにも、更年期障害を正しく理解し、症状をほっておかないようにしましょう」

2008年5月27日 無断転載禁止