(5)虚血性心疾患/食事、運動自己管理で予防

虚血性心疾患の原因や予防について話す村上林兒診療部長
 松江市立病院 村上林兒診療部長

 食生活の変化や高齢化に伴い患者数の増加が指摘されている狭心症や心筋梗塞(こうそく)などの虚血性心疾患。心臓に酸素や栄養を運ぶ冠動脈の異常によって起こる病気で、早期受診とともに予防を心掛けることが大切です。松江市立病院の村上林兒診療部長(循環器内科)に、虚血性心疾患について聞きました。

 -虚血性心疾患の傾向は。

 「心臓の血管が狭くなったり、詰まったりして必要とする血液量が供給されなくなって起こる狭心症や心筋梗塞を虚血性心疾患といいます。動脈硬化に起因することが多く、高血圧や糖尿病、高脂血症、喫煙といった危険因子を蓄積することで発症しやすくなります。女性ホルモンは動脈硬化を抑制するといわれており、五十歳くらいまででは男性患者が圧倒的に多くなっています」

 -原因や症状について教えてください。

 「狭心症は胸の圧迫感や痛みが特徴で、大きく分けて二つのタイプがあります。冠動脈の部分的なけいれんによる安静時狭心症は、夜間や早朝に多く、五分から十分間、症状が現れます。労作性狭心症は、動脈硬化などのため冠動脈の内腔(ないくう)が狭くなり、血液の流れが悪くなるのが原因で、階段の上り下りや運動をしたときに胸の痛みを感じ、左肩や首などに現れることもあります。次第に症状が重くなっていく場合を不安定狭心症といい、心筋梗塞になる率が高くなります」

 -狭心症の検査や治療法は。

 「運動や薬によって心筋虚血を誘発して判定する心電図検査、冠動脈造影検査を症状に応じて行います。治療では、高血圧や高脂血症などの改善を行い、けいれんの抑制や血管拡張、血栓を予防するための薬を使います。血管の狭窄(きょうさく)部分に金属製の管のステントを入れて拡張する方法では、ステントの向上によって再狭窄率が5%以下と低くなっています。狭窄の形態によっては冠動脈バイパス術を行うことがあります」

 -心筋梗塞の場合は。

 「症状や心電図、血液検査で診断します。心筋梗塞が起こり長時間、血流が遮断された状態が続くと心臓の機能が戻らなくなるので、早期に血流を再開させるために冠動脈造影を行い、閉塞(へいそく)した冠動脈を拡張させることが重要です」

 -普段の生活で気を付けることは。

 「動脈硬化につながる高血圧や高脂血症、糖尿病にならないよう食事や運動に注意し、喫煙しないなど自己管理が最も重要です。胸の痛みや圧迫感が続く場合は、放置せず、なるべく早く受診しましょう。心筋梗塞については、発症から病院到着までに約10%の人が亡くなっているとみられており、できるだけ早く病院に搬送することが大切です」

2008年5月28日 無断転載禁止