石見銀山排ガス問題 「歩く観光実験」打ち切り

雨中、路線バスを運休する交通実験中の銀山地区を、徒歩で巡る観光客ら=大田市大森町
 世界遺産に登録された石見銀山遺跡の観光客受け入れ態勢で、大田市は大森町の銀山地区で路線バスを運休している交通実験を当初予定通り三十一日で打ち切り、六月一日から再び路線バスを運行する。地元住民は「排ガスと騒音がなくなり喜んでいた。運行再開は残念」とし、市が十月から予定する路線バス廃止の前倒しを要望している。

 観光客の人気スポット・龍源寺間歩がある銀山地区では、登録で急増した来訪者を運ぶ路線バスの排ガス、騒音が問題化。大森町自治会協議会が廃止を求めた。

 市は三月に「遺跡と自然、人々の調和」を重視した見直し案を提示。十月から同間歩と銀山公園の区間二・三キロで路線バスを廃止する方向で検討するため、黄金週間の四月二十六日から五月末まで「歩く観光」を打ち出し交通実験をしている。

 同市観光流通課は十九日の同協議会の会合で、六月一日から、落石の危険性がある区域を除き、清水寺前駐車場と銀山公園の区間一キロで、路線バスの運行を再開する方針を伝えた。

 今後の受け入れ態勢は、来訪者四百人を対象に六月七日まで行っているアンケート結果などを踏まえ協議する。これまでの回答では「歩くのはよいが、高齢者や障害者への移動支援が必要」との意見が多いという。

 銀山地区自治会の山下幸弘会長(70)は「運行再開は残念。本来、六月から路線バスを廃止してほしい。せめて学校が夏休みに入る期間から前倒しを」と要望。同協議会の松場大吉会長(54)は「交通実験で来訪者に大きな混乱はない。住民の間では廃止がベストとの結論で、前倒しが可能かどうか市と協議していく」と話した。

2008年5月29日 無断転載禁止