「ここがおもしろい!」石見銀山講座開催

コウモリの標本を手に研究成果を報告する大畑純二主席研究員
 自然科学の視点で世界遺産の石見銀山遺跡をとらえた講座「ここがおもしろい!石見銀山」が一日、大田市三瓶町の県立三瓶自然館サヒメルであった。同館の学芸員が最大の坑道・大久保間歩で冬眠するコウモリの姿を紹介し、自然と共生する遺産としてコウモリの生態を保全する大切さを説いた。

 年二回の自然・環境学講座の一環で企画し、市民ら五十人が聴講した。

 二十五年間、観察している大畑純二主席研究員は、大久保間歩では流れる風のため、冬場に坑内気温が一、二度に下がって冬眠の適地となり、石東一帯からコウモリが飛来すると説明。そのうちユビナガコウモリが今年一月、二千三百匹いたのに半月後、二百五十匹に減った理由を「坑内気温が上がり、奥に入るなど坑内で移動したと考えられる」と分析した。

 昨年の遺産登録前、東京の研究者から観光客の入坑で生態系が壊れる懸念が寄せられ、大田市と冬は一般公開しない方針を決めたことを報告。

 環境が劇的な逆転登録のキーワードになった経過を踏まえ、登録後も観光面でコウモリに配慮する姿勢をアピールするとともに、さまざまな生物が地球環境を作り上げた生物多様性の見地から「コウモリを保護する必要がある」と呼び掛けた。

2008年6月1日 無断転載禁止