(13)胸郭出口症候群

頭を手で押さえながら痛みが出ない範囲で横に傾け、首の筋肉の緊張をほぐす
無理な姿勢や動作避けて

 胸郭出口は、鎖骨と、その下の肋骨(ろっこつ)とのすき間のことをいい、首から腕に向かう神経や血管が通っていますが、すき間が狭かったり、位置が適切でなかったりすると、神経の働きの悪化や血行不良を起こすことがあります。

 このような状態になると、一般的な肩凝りの症状に加えて肩や肩甲骨、腕から手指にしびれや痛み、冷感、脱力感などが現れ、胸郭出口症候群と呼ばれています。

 原因の違いによってタイプが分かれ、神経が引っ張られることで症状が出るけん引タイプは、筋肉が少なく、肩の位置が低くなりがちな細身、なで肩の二十-三十歳代の女性に多い傾向があります。神経や血管が圧迫されることで症状が出る圧迫タイプは筋肉質、怒り肩の男性に多く見られます。そのほか、先天的な骨の問題などが原因で起こる場合もあります。

 けん引タイプでは、重い買い物袋を持つことや、肩掛けバックやリュックサックの使用など肩が下がる姿勢や動作によって、症状が現れたり、悪化したりします。圧迫タイプでは、腕を上げた姿勢や肩を後ろに引いた姿勢を続けることで症状が現れます。

 改善法としては、症状が出ている指や腕をもんだり、温めたりするのではなく、日常生活で行う動作の工夫や姿勢の改善が重要です。無理な姿勢や動作の持続を避けて小まめに休息をとり、姿勢を変えるなどして、胸郭出口の血管や神経に生じている圧迫などの原因を解消することが有効です。

 また、体づくりについては、肩をぐるぐる回すなどの軽い運動や緊張している首の筋肉をストレッチすることで、しなやかな状態を保つようにしましょう。

 胸郭出口症候群は、原因によって症状の現れ方が異なり、ほかの病気を併発する場合もあります。日常生活での支障や精神的なストレスが生じるほか、内臓の病気などでも同じような症状が出ることがあるため、症状が強い場合は病院の受診をお勧めします。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・吹田慎治)

2008年6月4日 無断転載禁止