(16)運動と水分補給

健康的にスポーツを楽しむため、水分補給をしっかりと
 能力維持には「15分」ごとに
 さわやかだった季節から次第に夏の暑さに近づいてきました。激しい運動をするスポーツ選手にとっても過酷な環境になります。屋内、屋外にかかわらず起きやすい脱水症や熱中症の事故を防ぎ、高い運動パフォーマンスを保ち続けるための、水分補給方法を紹介します。

 高い気温の中で運動すると、汗をたくさんかきます。目的は体内の熱の放出で、高い湿度だと汗をかきやすくなります。このことは、曇りの日で無風状態の屋外競技や、体育館の中で窓を閉め切ることの多いバレーボールやバドミントン競技で、より水分補給が重要になることを意味します。

 発汗によって体重の2%の水分が減ると、運動パフォーマンスはずいぶん低くなります。例えば、ジャンプ能力の低下はバスケットのリバウンドボールが取れない、バレーのアタックが打ち切れない、などの形で表れます。神経機能にも影響し、集中力や判断力、予測力が急に低下してミスを連発し始めます。脱水により普段の力が出ない状態に陥ってしまうのです。さらに、集中力低下はねんざなどのけがにもつながります。

 汗で出た水分や塩分は血液からしぼり出されていますので、補給する水分はただの水ではなく、塩基や糖分を含んだ水分ということになります。

 水分補給のコツは市販のスポーツドリンク粉末を、使用方法より約二倍希釈したもので、一〇度程度に冷やすと胃から腸への流入が早く、吸収時間が短縮されます。十五-二十分ごとに百五十cc程度を飲み、運動前にも十分な水分を補給しておくことも大切です。指導者は選手の訴えによらず、約十五分ごとに水分をとらせるようにするべきだとも言われます。

 熱中症は、脱水状態の極限であり、わずか体重の5%の水分損失で生命危機を起こします。正しい水分補給法により安全で健康的にスポーツをしましょう。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2008年6月5日 無断転載禁止