石見銀山文化賞に村上さん(京都国立博物館)

中村俊郎社長から第1回石見銀山文化賞の本賞を贈られる京都国立博物館保存修理指導室長の村上隆さん(左)=大田市大森町、なかむら館
 石見銀山遺跡の世界遺産登録一周年と創業三十五周年を記念し、大田市大森町の義肢・装具メーカー中村ブレイスが創設した第一回石見銀山文化賞の授賞式が二十八日、同町のなかむら館であった。同社の中村俊郎社長(60)から、京都国立博物館保存修理指導室長の村上隆さん(54)に本賞、同町の銀峯山・清水寺を所有する熊谷孝仁さん(62)=横浜市在住=に特別賞が贈られた。

 同賞は銀山の調査研究や文化財保護などに尽力した個人や団体を表彰。

 村上さんは一九九六年から始まった同遺跡の総合調査で科学調査を担当し、銀鉱石の採掘から精錬に至る工程の解明に尽力した。清水寺は銀山開発と深い結びつきを持ち、釜屋間歩を発見した鉱山師・安原伝兵衛が徳川家康から贈られた「辻が花染丁字紋道服」(国指定重要文化財)などの寺宝を継承してきた。

 表彰式で、中村社長は昨年の同日、ユネスコ世界遺産委員会で同遺跡の逆転登録が決議されたことを挙げ「体中が震える感動を覚えた。石見銀山の深い歴史と文化を次世代に伝えたい」と述べ、賞状と記念品、副賞の五十万円を贈った。

 村上さんは「石見銀山とかかわることで自分自身が育てられた。地球を考えることを勉強し、石見銀山に感謝している」と話し、熊谷さんは「寺宝が世界遺産の一助となり、守り続けていくことが願い」と述べた。

 式後、村上さんが「石見銀山から見えてくるもの」と題し特別講演した。

2008年6月29日 無断転載禁止