(19)ひざの痛み(下)

股関節の柔軟性を高めることもひざの障害の予防につながる
場所特定し適切ケア必要

 負荷の大きな練習を繰り返すジャンプスポーツ系の選手や成長期の選手を中心に、ひざを痛めたという相談をよく受けます。この時に気を付けなければいけないのは、痛みを訴える場所がひざのどこにあるか、ということです。痛いから運動を休むだけでは、その後に予想されるひざの障害の予防やリハビリを間違った方向に進めてしまう可能性もあります。

 痛めた場所を正しく知るためには、立って、痛い側の脚を一歩ほど前に出します。前に出したひざを軽く曲げ、そのままかかとを中心につま先を四五度程度外側へ回転させ、がにまたの状態にします。

 次に、前に出した脚にしっかり体重をかけていきます。ひざの内側の痛みが強くなる場合は、ひざ内側の炎症や障害があることを表しています。

 これは、スポーツ選手の軸足に多くみられる症状で、例えば、右足に体重をかけたまま左側へ急激に移動する、いわゆる右から左への切り返し動作で起こりやすくなります。投球時のけり出しによって軸足のひざの内側を痛めるけがと同様で、右投手の右ひざ内側の症状も同じ理由によります。

 軸足へ体重をかけたときの痛みは、脚の運動能力を下げてしまうだけでなく、肩や腰の障害にもつながっていきます。痛みが軽い段階で、ひざ内側へのアイシングや太ももの前の筋肉のストレッチング、早めのフォームチェックなどを心掛けましょう。

 予防法としては、足の指の握る力をつけて土踏まずを強くし、股(こ)関節や足首、背骨の柔軟性を高めるとよいでしょう。スポーツ少年団など初心者のときにこそ、基礎となる体の使い方を十分に理解させ、その上で動きを身につけていくことが、生涯にわたって大切な障害の予防策になります。(松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2008年7月16日 無断転載禁止