東京で世界遺産登録1周年記念シンポ

石見銀が世界経済史に果たした役割を討論するパネリスト=東京都墨田区、江戸東京博物館
 大田市大森町の石見銀山遺跡の世界遺産登録一周年を記念したシンポジウムが十九日、島根県教育委員会などの主催で、東京都墨田区の江戸東京博物館であった。世界遺産登録件数が少数に絞り込まれる中で、石見銀山が世界に認められた意義を再認識した。

 中世史に詳しい脇田晴子石川県立博物館館長、村井章介東京大大学院教授、地元の中村俊郎石見銀山資料館理事長、大国晴雄大田市教育部長の四人が討論。十六-十七世紀の世界経済における石見産の銀が果たした役割をひもといた。

 村井氏は「銀を飲み込んだブラックホールが中国だったことを押さえないといけない。銅銭から銀への貨幣の変動があり、そこに日本の銀の増産がはまりこんだ。銀を中国に運び出すビジネスに欧州人が参加し、世界が結びついた」と指摘した。

 研究、遺跡保存の課題について脇田氏は「遺跡を飾らないで、そのままの姿を残すという方針を維持してほしい」と要望。中村氏は「世界遺産の地に住まわせてもらっていることを感謝し、その気持ちを次世代につなげたい」と語った。

 シンポジウムには約三百五十人が来場。専門家の見解や視点に熱心に聴き入った。

2008年7月19日 無断転載禁止