ユネスコ無形文化遺産候補に石州半紙

無形文化遺産の候補に選ばれた石州半紙。石州半紙技術者会によって、伝統の技法が継承されている=浜田市三隅町、石州和紙久保田
 文化庁は三十日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が無形文化遺産保護条約に基づき、二〇〇九年に初めて作成する世界の代表的な無形文化遺産のリストに、日本からの第一弾として、千三百年の歴史を持つ浜田市の「石州半紙(ばんし)」など、十四件の登録を提案すると発表した。後世に伝える世界的な文化財として認知されることで、波及効果が期待される。

 同条約は九十七カ国で締約。大田市の石見銀山遺跡などの「世界遺産」とは異なり、登録の可否を決める厳密な審査はなく、既にユネスコから「傑作宣言」を受け、登録が内定した「能楽」など、三件と合わせ、来年九月のユネスコ政府間委員会で、十七件の登録が正式決定する見通しという。

 石州半紙づくりは、八世紀に現在の島根県西部の石見地方で始まり、折り曲げても、ちぎれない強靱(きょうじん)さが特長。江戸時代に、大坂商人が半紙大の紙を帳簿用として重用し、その名が広まったとされる。

 一九六九年四月には、工芸技術分野として最も早く、国の重要無形文化財に指定され、浜田市三隅町の石州半紙技術者会(川平正男会長)が伝統技術を継承している。

 半紙の原料には、地元産の楮(こうぞ)を使用。今も、障子紙や文化財のふすまやびょうぶなどの修復に使われている。

 川平会長は「選定は喜ばしいが、大変なことでもあり、驚いている。原料の減少や後継者問題など、課題も多いだけに、それぞれが技、個性を磨き、価値を継承できるよう努めたい」と話した。

2008年7月30日 無断転載禁止