(22)突き指

突き指をしたときは、患部を圧迫しながら氷水で冷やす
患部圧迫し十分な冷却を

 運動中の突き指は、スポーツ選手でもより経験の少ない人に多い傾向があります。バレーボールのオーバーハンドレシーブやブロック、バスケットボールのボールキャッチのときの動作で多く見られますが、柔道やレスリングのような格闘技系のスポーツでも少なくありません。

 突き指を起こしてしまった場合は、ただちに運動を中止し、患部を動かないように圧迫しながら、氷水で三十分以上冷やします。ただし、突き指には、骨折している場合があるため、単純に指の筋だけを痛めていると考えるのは少し危険です。

 特に気を付けたいのが「マレット指」と呼ばれる突き指で、指を全力で伸ばしているとき、指先の部分に真っすぐに力が加わった場合に起こります。例えば、バレーボールのブロックで天井側からたたかれた状態になったときや、野球で強いゴロを捕球するとき素手の方に起こります。

 マレット指では、指を伸ばしきる筋肉の付着部が骨から外れてしまい、指が最後まで伸びなくなります。また、指先に一番近い関節が骨折していることもあります。もともと指先は血流が十分な部分ではないので突き指をしても腫れが目立たず、処置が遅れることがあるので注意しましょう。

 放置しておくと指の関節に重い変形や障害を残し、日常動作で常に不自由を感じることになります。病院に行くと、ただちに骨折を治す手術が必要なけがとして扱われるほどです。

 また、親指の付け根の突き指で「ベネット脱臼骨折」が起こることがあります。手術をしないと親指の付け根が緩んでしまい、作業を行うたびに親指が常に外れ(脱臼)、手先の作業に制限を受けることになります。

 突き指の予防では、競技特性に合った指導を受け、指先まで力を入れておくなど運動中の集中力や意識を高めることも大切です。簡単に考えてしまいがちな突き指でも重症なものを含んでいますから、整形外科医師の判断を受けましょう。

(松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2008年8月27日 無断転載禁止