町民も出演する文化部合同公演「JAM」 津和野高校(津和野町)

 高校の枠超え感動舞台

 今年、創立百周年を迎える島根県立津和野高校。今回は私たち生徒会のメンバーが、津和野の町の人たちも参加するビッグイベントに成長した文化部合同公演「JAM(ジャム)」を紹介します。併せて、自分の好きな世界に熱い情熱を傾ける津和野高校の生徒たちに話を聴きました。

 ■美術部も参加
 「JAM」は二〇〇三年に、合唱部と吹奏楽部が合同で演奏会を開いたのが始まりです。「JAM」は詰め込むという意味であり、合同で何かを作りだそうとの思いが込められています。

 〇六年からは美術部が会場となる津和野町民体育館に自作絵画を飾るようになり、文化部合同発表会という今の形になりました。年を追うごとに、参加者が増え、卒業した先輩たちも、参加するようになりました。

 七月二十日に行われた今年は、地元の「鷺(さぎ)の舞ムジカ合唱団」、津和野中学校合唱部、津和野小学校の児童らも歌を披露。高校の枠を超え”津和野の文化発表会”といえるほどになりました。県内の他の高校勤務を経験している先生方も「町の人も参加しての合同発表会は珍しい」と驚きます。

 ■歌、演奏、ダンス
 「JAM」のハイライトは何と言っても高校生とOB、OGらによる歌と演奏とダンスを組み合わせたステージ。ロック音楽も取り入れ、出演者が一体となったラストの盛り上がりは、観客約六百人を魅了しました。

 出演者は、二カ月前から練習を重ねます。演出、振り付けは元劇団四季のメンバーで俳優山崎華奈さん(東京在住)が指導してくれます。練習は厳しいものですが、生徒たちは見る人の心を動かすコンサートをつくりたい、津和野町を盛り上げ活気づける行事になってほしい、という思いで頑張ります。

 ■同窓会の感覚で
 本番ではピアノ演奏を松江市のピアニスト石田美智恵さんが、ステージ照明は音響照明会社の澄川明さんが毎年、協力してくれます。ギターを弾かれる澄川さんは、ことし合同演奏に飛び入り参加しました。

 今年の発表会に岡山県から駆けつけたOG熊谷美智子さん(23)は「母校が百周年の年に参加できてうれしい。今年は百二十点の出来でした。今後も続けたいイベントです」と話します。同じOGの山本真奈さん(20)と大畑菜未さん(21)も「ダンスに戸惑いもありましたが、JAMに集まれば同窓会みたいな感覚で楽しみです」と話してくれました。

 ムジカ合唱団の一員として参加した町内の女性は「町ぐるみの発表の場になっているところが親しみやすく、みんなで盛り上げていこうという気持ちになる」と話してくれました。

 津和野高校の生徒数は過疎化や少子化で年々減少しています。実のところ、「JAM」は合唱部と吹奏楽部とも、将来、部員数が減ったとき、定期演奏会ができなくなることを予測して始まりました。しかし、今では、文化部の生徒が一番輝ける場所となっています。先輩方が作り上げてきた素晴らしい伝統を受け継いでいきたいと思います。

 学校紹介
 津和野高校(島根県津和野町後田)は、山々に囲まれた自然豊かな場所にあります。全生徒は205人です。年々、生徒数は減っていますが、皆、部活や勉強に励んでいます。また、今年は創立100周年を迎え、これを機に新しい気持ちで、津和野高校をさらに盛り上げていこうと思います。

 取材後記
 このたび、新聞作成をするという話が持ち上がり、最初は本当に私たちで新聞を作ることができるのか、心配でした。でも、実際に新聞を作り始め、さまざまな人たちに取材をすることで、その人たちの気持ちや思いに触れることができ、新聞作成をしてみて、よかったと思っています。また、完成したこの新聞で、津和野や津和野高校のことを前から知っていた人も、そうでない人も、より津和野や津和野高校のことを知り、興味を持っていただければ、幸いです。

 【取材スタッフ】青木勇樹、古津一馬、奥田浩平、村上華(以上三年生)、長嶺真里子、金山豪志、青木怜奈(以上二年生)


 津和野高校特集 地域で活躍熱き仲間たち

 訪問者に良い思い出を

 町内を学帽かぶり観光案内する 中村三千瑛君

 学帽、マント、袴(はかま)-これらのものは城下町ととてもマッチする。今日も津和野町内を学帽をかぶり観光客と楽しそうに話をしながら案内をしている少年の姿を見る。三年生の中村三千瑛君である。

 どうして観光案内をしているのか。中村君は「津和野を訪れた方に少しでも良い思い出、珍しい思い出ができたらと思い自主的に案内をしています」と語る。学帽は「自分の気に入った服装です」と答えてくれた。

 中村君が観光案内を始めたのは高校に入ってから。町で観光客の方に声をかけられたのが始まりだった。

 ガイドグループには所属せず、学校の休みなどを利用して観光案内をしている。中村君は「外国の方を案内した時は、素直に感動や感謝を表現してくれて、うれしかった」と話す。

 今の社会において自分の意志を通すことは難しいと思うが、彼の行動力には感心する。今後の活躍に期待したい。


 技術の難しさが面白い

 伝統芸能の流鏑馬を受け継ぐ 岸田侑士君

   津和野の伝統芸能といえば、鷺(さぎ)舞、和紙作りとあるが、忘れてはいけないのが流鏑馬(やぶさめ)である。華やかな衣装を身にまとい、馬に乗りながら的板を射る姿は、毎春多くの観客を魅了する。そんな伝統芸を受け継いでいるのが三年生の岸田侑士君だ。

 高校一年の三月に友達がやっていると聞き興味を持ち始めた。乗馬の姿勢で畳に打ちこんだり、軽トラックに積んだ木馬から走りながら弓を引いたりして練習をする。

 岸田君は流鏑馬の難しさを「馬に乗り両手を放して弓を引くのにかなりの技術がいる。また、馬の乗り方、矢のつがえ方などに決まりがたくさんあるところ」と話す。その上で「その難しさが面白いところ」とも。さらに「満開の桜の中、風を切って走るのが気持ちがいい」と魅力を語る。

 われわれはそんな岸田君を心から応援したい。

 多くの人に元気与えたい

 よさこい踊りに打ち込む 吉永紗彩さん

 一年生の吉永紗彩さんは中学一年生のとき、母親の影響でよさこい踊りを始め、現在も地域の祭りなどに参加している。

 練習は毎週火曜日と水曜日。ストレッチ体操に始まり、総踊りやオリジナルの踊りを練習する。

 「よさこい」の魅力を「踊ることの楽しさ」と吉永さんは話す。ただ、吉永さんを引きつけるのはそれだけではない。「年齢や性別に関係なく、みんなで団結して楽しく踊ることができるところ」とも言う。

 チーム内には九十歳代の方もいらっしゃるそうだ。また、いろいろな地域のイベントに参加することで、多くの人々と交流を深められることが大きな財産になっていると吉永さんは打ち明けてくれた。

 今後について聞いたところ、多くの人に元気を与えられるよさこいをこれからも続けていきたいと、すてきな笑顔を見せた。

 教材に新聞を
 山陰中央新報は1部売り定価は現在100円ですが、新聞の公共性や21世紀を担う子どもたちの教育に新聞を役立てていただきたいとの願いで、日本新聞教育文化財団が行うNIE事業とは別に学校の授業で教材用として活用いただく場合に限り、朝刊1部30円(消費税込み)の特別定価を設定しています。
 対象は小、中、高校、高専、短大、大学、大学院、専門学校などで、同一の日付5部以上使用される場合に限ります。
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吹奏楽部、合唱部、美術部が一体となって行う文化部合同公演「JAM」。卒業生や町民、小学生も参加してのステージは、大いに盛り上がる
町内を学帽かぶり観光案内する中村三千瑛君
伝統芸能の流鏑馬を受け継ぐ岸田侑士君
よさこい踊りに打ち込む吉永紗彩さん
津和野高校取材スタッフ

2008年8月31日 無断転載禁止

こども新聞