(23)手首のねんざと骨折

転倒によって起きやすい手首の骨折。親指の付け根にある逆Vの字の部分が痛い場合は骨折の可能性がある
患部冷やし早急に受診を

 人は接触やつまずきなどで転倒したとき、とっさに腕を出し、手のひらで体重を支えようとします。スポーツ中に限らず、日常生活の中でも転倒しそうになったとき、誰にでも起こる体の防衛的な反射の表れです。

 転倒によって手のひらに強い力を受けたり、ねじれの力が加わったりした場合、手首はねんざを起こします。このとき、手首を回転させてみて、線維状のつくりがある小指側の手首が痛い場合は、線維が損傷し治癒が長引くことが多く、注意が必要です。

 さらに強い力が加わると骨折を起こしてしまいます。スポーツ中の手首の骨折で最も多いものに舟状骨骨折があり、尻もちをつくような状態で腕を体の後方に伸ばし、指先を前方にして転倒した時に起こります。手の指を目いっぱい開くと、手の甲側の親指の付け根に逆Vの字になった二本の筋が見えますが、Vの字の中が痛い場合、骨折の疑いが強くなります。

 舟状骨は手首をつくる重要な骨ですが、骨に栄養を運ぶ血管の走行が独特で、場合によっては手術をしなくては治癒しません。

 また、加齢とともに骨が弱くなる骨粗しょう症になると、前腕(ひじから手首までの間)に二本ある骨のうち、橈骨(とうこつ)という親指側の骨が、転倒によって折れることがあります。橈骨骨折は高齢の女性に多く、軽症であればギプス固定だけで治りますが、重症になると手術や長期間のリハビリが必要です。

 もし、転倒してしまい手首に痛みや腫れがある場合は、簡単にでも患部を固定し、氷水などで冷やしながらすぐに病院を受診し、適切な診察と治療を受けることがより早い回復への近道です。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2008年9月10日 無断転載禁止