未来塾で石見銀山遺跡の講演

福石場の存在と特徴を報告する中村唯史学芸員(中央)=大田市大田町、市勤労青少年ホーム
 世界遺産に登録された石見銀山遺跡の魅力を学ぶ未来塾講演会が二十日、大田市大田町の市勤労青少年ホームであった。島根県立三瓶自然館の中村唯史学芸員が遺跡の核を成す仙ノ山の福石鉱床の地下に銀を採掘した跡の巨大空間が存在することを報告。参加者は豊かな富を生み出した銀山の歴史に思いをはせた。

 中村学芸員は、明治期、採掘権を持っていた藤田組(現D0WAホールディングス)が江戸期に掘られた地下坑道などを測量した坑内実測図を活用し、分析した。

 講演で「仙ノ山の本当にすごいところは地下の見えない場所にある」と強調。石見銀山の本質を他の鉱山に先駆け銀の大量生産に成功したことにつきるとし、福石鉱床の地下に眠る「福石場」と呼ばれる八カ所の巨大空間こそが「石見銀山の正体」と解説した。

 最大は大久保間歩の福石場で長さ二十五メートル、幅二十メートル、高さ十メートル以上。他の鉱山の地下に巨大な採掘跡の空間はなく、福石場を石見銀山の大きな特徴と規定。岩質が軟らかいため、掘削速度は佐渡金銀山(新潟県)の二倍に達し、銀以外の余分な鉱物を含んでいないことが「一気に銀の量産ができた秘訣(ひけつ)」と位置付けた。

 石見銀山ガイドの会会員ら六十人が聴講した。

2008年9月20日 無断転載禁止