(24)野球ひじ

成人型の野球ひじでは、ひじの内側を押さえて痛みがあれば注意が必要
違和感あれば早期治療を

 先日の北京オリンピックでは、日本の野球は期待に沿えない結果に終わりましたが、その後の女子野球ワールドカップでは見事、金メダルに輝きました。その時のエースを診ている理学療法士の友人も「ひじのコンディショニングには非常に気を使い、調整していく際には、ひじだけでなく体の他の部分の動きがポイントになる」と話していました。

 野球の投手や捕手など、繰り返しボールを投げなくてはならない選手に非常に多いのがひじの障害です。ひじの障害は直ちに投球パフォーマンスを下げてしまいますし、一度、障害を受けると回復に時間がかかるか、復帰も困難になってしまう場合があります。

 このようにボールを多く投げ過ぎたためにひじを痛めてしまうものに「野球ひじ」といわれるものがあり、小学生などに多く見られる「リトルリーグエルボー(少年野球ひじ)」と、成長して高校生や社会人になってから多い「青年野球ひじ」の二つに大別されます。

 前者は、繰り返される投球動作により、ひじにある発達不十分な軟骨が硬い骨からはがれてしまう「離断性骨軟骨炎」を指します。後者の場合は「ひじの内側側副靭帯(じんたい)損傷」といい、ひじの内側の靱帯が刺激により少しずつ断裂していき、最終的に靱帯が緩み、投球時に痛みを生じます。

 両方とも、病院でレントゲンなどの検査を受けないとはっきり分からない場合があります。投球中にひじの痛みや違和感を覚えたら、早い時期に診断をもらい適切な治療を受けることが、長くスポーツを楽しむコツです。

 投球によるひじの障害は、足の指や足首の力の不足、股(こ)関節や肩の柔軟性低下の結果であることを踏まえ、痛みがあるひじだけに注目したコンディショニング方法では十分な予防にはならない特徴があることを理解しましょう。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2008年9月24日 無断転載禁止