平和を考える-ヒロシマから(上) 津田小学校6年生(松江)

 原爆の悲惨さ、怖さ実感

 本年度NIE実践校である松江市立津田小学校の六年生児童たちは今年六月、修学旅行で被爆地広島を訪れた。被爆者の体験講話を聴いたり、平和記念資料館や原爆ドームの見学などを通して、あらためて原爆の恐怖、戦争の悲惨さ、平和の尊さなどについて学んだ。児童たちは修学旅行から帰って早速感想などを新聞にしてまとめたり、紛争被害に苦しむ人たちを救おうとフリーマーケットを企画するなど、それぞれが感じた反戦・平和への思いを世界に発信し、行動しようとしている。平和を願う児童たちの思いを紙面で紹介する。



熱さ4000度の威力に驚き
永塚琢磨
 ぼくは原爆のことをすごくこわいものだなぁと思っていました。でも、被爆体験者の東博人さんの話を聞いたり資料館に見にいったら、もっともっとこわいものでした。
 何もかも吹き飛ばして、四千度という、普通では考えられないくらいの熱さと聞いて、すごくびっくりしました。でも、原爆ドームだけ吹き飛ばされもせず残りました。原爆ドームはすごい建物だなぁと思いました。
 原爆は地上五百八十メートルで爆発しました。原爆が投下される前、広島には三十七万人の人が住んでいましたが、原爆が投下された日には約十五万人の人が亡くなりました。それから半年がたって、さらに多くの人が亡くなりました。
 しかも、コンクリートまでも溶かしてしまうということは、本当にすごい熱さだったんだなぁと思いました。それなのに、東さんはもう八十歳だというのに生きているということは、すごいことだなぁと思いました。
 そんなにすごい威力を持つ原爆は世界で日本だけ、広島県と長崎県だけにしか投下されていません。
 佐々木さだこさんが折っていたつるは小さいと聞いていたけど、実際に見たら思っていたよりもずっと小さかったです。さだこさんは六百四十四羽のつるを折って、白血病で亡くなってしまいました。ぼくはもう二度と戦争を起こさないでほしいと思います。



戦争やめて仲良くして
小倉蓮
 もしできることなら、世界中の国々が仲良くなって、戦争をやめてほしいです。そして、まだ戦争をしている国にぼくの気持ちが伝わるとしたら「頭を冷やして、そんなバカなことはやめろ」と言ってやりたいです。もっと国々の信頼が深まってほしいです。
 もし、あの原爆が落とされた広島にいて、家族が全員死んだとしたら、ぼくは『はだしのゲン』に出てきたゲンのようには強く生きていけないと思います。だから、ぼくは今、どんなにいい世界にいるかが分かりました。
 あの時はイモ一つ、米一粒で兄弟が争っていたというのに、今はぜいたくな暮らしをして毎日を楽しく暮らしています。今の時代はぜいたくをしすぎだと思います。でも、ぼくがあの日、広島にいたとして、リトルボーイのせいでやけどを負った人を見たら、たぶんさけていたと思います。そんな自分が情けないと思います。やけどを負った人をかばったり、助けたり、仲良くした人はいたでしょうか。そんな人がいたらいいなと思います。
 アメリカはまだ紛争地域に若い兵士たちを送っていますが、失うものはないでしょうか。日本はあの戦争でもうこりたと思います。もう戦争を起こしたいと思う人はいないと思います。そして、まだ苦しんでいる人々のために、日本は戦争をしてはいけません。どうかみんなが幸せにくらせる世界になるといいです。
 ぼくは広島に落ちた原爆を体験してはいません。だから、あの原爆の熱さ、風圧などを知りません。ぼくは写真などを見ておそろしかったんだろうなとは思えるけど、本当に原爆を体験した人ほどこわかったとは言えません。だから、あの原爆の本当の恐ろしさを知りません。どっちかというと知りたくはありません。


紛争などで苦しむ子支援
ピースサポートリーダー
 私たち六年生は、原爆の平和学習から、世界の紛争や貧困で苦しんでいる子どもたちを支援できないかと、ピースサポートリーダーを中心として活動しています。今、決まっていることは、二学期半ばごろにフリーマーケットでお金を集めて、紛争地域の子どもたちの援助施設・ドイツ国際平和村にお金を届けることです。
 もし家にリサイクルをしてもよいと思う物があったらフリーマーケットに出して、お金にして平和村に届けようと思います。できればたくさんの物が集まるとよいと思います。自分で作った小物も大歓迎です。家の中を探してみてください。たくさんの物が集まることを期待しています。



児童たちの思い

加藤姫香
 広島の人たちは努力して広島を復活させた。だから、何事もやればできる。努力をすれば何でもできる。その気持ちをいつも持っておくといいと思います。やっぱり一番大切なのは世界の平和。差別をなくし平和な世界をきずいていくことだと思います。平和の大切さ、心のきずのことを、じっくり考えていきたいと思います。



吉田愛梨
 私が一番心に残っていることは、手と手の間に灯火があった像で、ガイドさんから「他の国で戦争がなくならないと、この火は消えない」と聞いて、胸の奧みたいなところが少し痛くなり、心が泣いているような感じでした。それは「原爆の子の像」や「原爆ドーム」、千羽鶴をささげる時でも同じ気持ちでした。今、思うと、その気持ちは「何で戦争なんてしてたんだろう。人が死ぬということはとても悲しいことなのに」という思いだったんだと思いました。



藤原聖菜
 資料館にある絵などを見て、私はこわくて体がゾクゾクしました。実物の骨などを見たときは、もうとても原爆がこわく感じて亡くなった人は、実際に原爆が落ちてきたとき「熱い!」と思ったのでしょう。それに周りがもうみんなもえているときも、皮ふのとけた人を見たくなくても視界に入ってしまうなんて、かわいそうだなぁと思いました。



二村真智子
 資料館の中には、戦争の時本当にあった写真などがたくさんあって、怖い部分もありました。でも、被爆者の人たちはその姿を目の当たりにしていたから、このくらいで目をそらしていてもだめだなぁと思いました。資料館をずっと歩いていたらろう人形があって、皮ふが焼けただれている姿は本当にかわいそうでした。子どもまでもがあの姿で、自分がなっていると思ったら、頭がパニック状態になってしまうぐらいだと思いました。



清原萌
 私は平和公園の「原爆の子の像」を見て「絶対に原爆を許したくない」と思いました。原爆ドームを見て、どれだけの人の命をうばったのか、怒りを感じました。あと、実際に原爆が落ちたときの様子が分かる気がしました。原爆ドームの前にある川の中に、たくさんの人が水をほしがって入っていったと聞くと、私はその人たちの気持ちが分かる気がしました。



 お知らせ 「下」は11月に掲載の予定です。



 教材に新聞を
 山陰中央新報は1部売り定価は現在100円ですが、新聞の公共性や21世紀を担う子どもたちの教育に新聞を役立てていただきたいとの願いで、日本新聞教育文化財団が行うNIE事業とは別に学校の授業で教材用として活用いただく場合に限り、朝刊1部30円(消費税込み)の特別定価を設定しています。
 対象は小、中、高校、高専、短大、大学、大学院、専門学校などで、同一の日付5部以上使用される場合に限ります。
 申し込み・問い合わせは最寄りの販売所、または本社販売推進部(電話0852・32・3372、ファクス0852・32・3550)へ。
 原則購読2日前までに連絡いただければ学校にお届けします。

元安川の対岸から原爆ドームを見る児童たち
平和記念資料館を見学する児童たち
修学旅行後、児童たちはそれぞれが見聞きしたことや感想などをまとめた新聞を作った。写真は高梨まりえさんの作品
ピースサポートリーダーの皆さん

2008年9月24日 無断転載禁止

こども新聞