遺跡登録統合問題で文化庁と島根県、大田市が協議

石見銀山遺跡と佐渡金銀山の統合について「地元の意向を踏まえて十分相談したい」と話す高杉重夫文化財部長(右)=大田市大田町、市役所
 新たな世界文化遺産候補になった新潟県の佐渡金銀山を世界遺産・石見銀山遺跡に統合して暫定リストに掲載する問題で、文化庁の高杉重夫文化財部長が十七日、大田市役所を訪れ、島根県の藤原義光教育長、竹腰創一市長と協議した。県、市とも「現時点で受け入れられない」との姿勢を堅持。暫定リストへは県、市との協議が整うまで掲載しないことを確認した。

 高杉部長は冒頭、統合方針をめぐり「地域の皆さまに不安を抱かせ遺憾」と陳謝。今後の対応は地元の意向を十分踏まえ、相談するとした。

 協議は非公開。文化庁が、国の文化審議会世界文化遺産特別委員会が同庁に統合する方針を報告した経過などを説明した。

 終了後の会見で、県と市は▽文化庁と県、市でさまざまな課題を実務レベルで協議する▽暫定リストへの掲載は県、市との協議が整うまで行わない-という二点で合意したと発表した。

 藤原教育長は、石見から佐渡への灰吹法の技術伝播(ぱ)は専門的な調査が行われていないと指摘し「研究を進める中で統合方式が可能で妥当かどうか判断していく」との見解を表明。竹腰市長は「佐渡が統合ではなく独自の取り組みで遺産登録を目指すのには協力を惜しまない」と述べた。

 高杉部長は「県と市に戸惑いを与え反省している。地元の合意に基づき進めていく」と釈明。今後は石見と佐渡の関連性を証明する研究などが課題となり、暫定リストへの掲載で「期限を切って話し合うことはしない」とした。

2008年10月18日 無断転載禁止