(26)スポーツによる腰痛(上)

腰痛予防には腹筋を鍛えることが大切。上体を起こし、手を反対側のひざに伸ばした体勢で5秒間静止し、15回繰り返す
運動後はストレッチング

 日ごろの運動不足の中で急に激しい運動をした人や、部活やスポーツの新人戦を迎えて練習量が増えつつある選手で、腰痛を訴える人は少なくないでしょう。高校生以下のスポーツ選手の腰痛の発生は、同世代の二倍ともいわれていますが、腰痛といっても千差万別で、種類を分けるだけでも一冊の本では納まらないくらいあります。

 その中に、急激に出現する腰の痛みを特徴とし、筋肉の損傷が原因である「筋性の腰痛」があります。体の中にある筋肉の損傷を直接確認することはできませんが、筋肉の中に目では見えないほどの断裂(肉離れ)が生じます。原因はオーバーユース(使いすぎ)か、体の硬さによるものが最も多く、専門の競技で繰り返し動作の多い場合は運動フォームの問題が強く関係しています。

 最も大切なことは発生の予防です。筋性腰痛の症状を持つ大部分の人は、ウオーミングアップは行っているようですが、クールダウンがおろそかになっていることが多いようです。

 筋性腰痛の発生を少なくするには、運動後のストレッチングなどに十分時間を取る必要があります。プロ野球やJリーグの選手が試合後のクールダウンに約一時間かけることからも、その重要性がうかがえます。一般的な選手でも風呂上がりに行う腰や背中、股(こ)関節のストレッチングは高い予防効果があります。

 もちろん、筋力自体を強化することも重要です。腰の周りを囲む腹筋と背筋を強くすることは言うまでもありませんが、鍛え方に工夫が必要です。予防のための筋力トレーニングで腰痛を起こしてはいけないので、最初の二週間程度は腹筋を、次いで背筋の強化を並行して行います。最終的に背筋が腹筋より多少強くなるようにバランスよく仕上げるのが理想です。

 慢性的な筋性腰痛を経験している人は、このまま運動を続けると腰痛を起こしてしまう、という前兆を感じることがあります。その場合、直ちに練習量を減らし、コンディションを整えることが大切です。

(松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2008年10月22日 無断転載禁止