(27)スポーツによる腰痛(下)

バルーンに乗りバランスを取る体操。腰の柔軟性や筋力がアップし、腰痛に強い体につながる
初期段階で正しい指導を

 スポーツ選手の腰痛の中には重症度が高く、直ちに病院の受診が必要になるものがあります。症状が腰痛だけでなく、脚のしびれや痛みがある場合か、非常に大きな力が加わり骨折の疑いがある激しい痛みの場合です。この判断はスポーツ選手だけでなく一般の人でも同じです。

 「腰椎椎間板(ようつい・ついかんばん)ヘルニア」の場合は、太ももの外側や足先に向かって長い帯状の痛みや麻痺(まひ)が出ます。うまく足に力が入らず、つま先で歩けなかったり、逆に、かかとだけで歩けなかったりしたときや、反らした足の親指を曲げる方向に押さえてみて、反らす力が反対側より弱くなっている場合は要注意です。

 また、「腰椎分離症」の診断もあります。この場合、痛みのため体の後屈(後ろ反り)がしにくいことが多く、同じ姿勢をとり続けることが苦痛のようです。分離症は一般の人では5-7%に認められ、プロ野球やJリーグの選手で30-40%、スポーツ全体の選手では20%以上になるといわれています。高校生の選手では、十代前半から十五歳ごろに痛みを多く訴えているようです。しかし、その後の成長とともに痛みの訴えは減る傾向にあります。

 バレーボールのアタックやトスアップ、ブロック動作、バスケットボールのリバウンドジャンプ動作など体を反らせることの多い種目で、この症状を多く経験します。回復には数カ月から半年以上の長期リハビリが必要になります。

 ただの腰痛と考えずに、初期段階での正しい診断を基にした必要な部分の筋力トレーニングや柔軟性の向上、体に負担の少ない動き、休養も含めた指導を受けましょう。

 症状が重い腰痛の場合には、年齢を考慮した治療方針や可能な運動の種類などを専門家と相談しながら復帰に向けて取り組むことになります。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2008年11月5日 無断転載禁止