東京で石見銀山の価値さぐるシンポジウム

石見銀山遺跡の価値を次世代にどう伝えるか思いを語るパネリスト=東京・丸の内、MY PLAZAホール
 暮らしと融合した産業遺産である大田市大森町の石見銀山遺跡の価値を探るシンポジウム「石見銀山が世界遺産になったわけ」が十三日夜、東京都内であり、地元住民や一線の研究者が、遺跡の現代的価値を討論した。

 シンポジウムは、主催した社団法人日本建築美術工芸協会の副会長で島根県芸術文化センター長の澄川喜一氏の進行で、住民が遺跡と共存する暮らしぶりを紹介。その上で次世代に遺跡の価値を伝えていくために何ができるのかを提言した。

 遺跡の歴史を学び、景観づくりに生かす女性グループ「いも娘」メンバーの向野美保氏は、世界遺産登録後に「町並みが変わっているような気がする」と不安視。古い物を大切にするのが子どもたちに価値を伝える近道と説いた。

 元大田市職員で町並みアドバイザーを務める渡部孝幸氏は「空き家を使い出店要望があった時、許可する持ち主に景観への関心がない場合がある」と指摘。大森町に五十軒あるという空き家対策に配慮が必要だとした。

 シンポジウムは、同協会の設立二十周年記念で開催。島根県出身者や歴史愛好家、学生ら約二百九十人が耳を傾けた。

2008年11月14日 無断転載禁止