(19)松江藩の鎮守・城山稲荷神社 彫り物ウオッチング

【城山稲荷神社本殿】城山稲荷神社本殿。軒下に9種類の動物たちが彫られている。案内をしてくれた永岡章典宮司(左)と石原幸雄さん=松江市殿町城山
宝袋
巻物
麒麟(きりん)
軒下に鎮座、お宝や小動物

 松江市殿町、松江城内にある城山稲荷神社(永岡章典宮司)は、松江松平藩初代藩主直政が、入国した翌年の寛永十六(一六三九)年に藩の鎮守、守護神として創建した。来年行われる同神社の式年神幸祭「ホーランエンヤ」は、十二年ごとに開かれる日本三大船神事の一つで、直政の時代に始まった。

 境内には千体以上の石狐のお狐さんがいることでも知られる。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)もお狐さんに会いに幾度も訪れたという神社。

 しかし、神社にいるのは狐だけではない。本殿や門が鳥や動物だけでなく、多くの彫り物で装飾されていることは意外と知られていない。作品の中には高所の軒下にあって薄暗くて肉眼で見ることが難しく、訪れる人たちからも忘れられた存在のものもあるという。今回は双眼鏡持参で城山稲荷神社ウオッチングに出掛けた。

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 稲荷神社の赤いのぼり、石畳の両脇に立つ石狐たちに導かれるように参道を進む。石段を登り切ると今回の神社ウオッチングのスタート地点、随神門がある。門を見上げると朱色の太陽と雲の飾り。門の裏側には白い三日月。太陽は昼を支配する天照命(アマテラスノミコト)、月は夜を支配する月読命(ツキヨミノミコト)だという。それぞれの両サイドには小槌(こづち)や巻物、宝袋、みの笠など縁起物やお宝グッズの飾りが並ぶ。

 その先、拝殿の正面には龍、本殿には鳥に鹿、コイ、リスなど九匹の動物たちの彫り物が暗い軒下で息を潜めている。

 総代で寺社の建築設計もしている松江市北堀町の石原幸雄さん(58)は「これほどいろいろな装飾の彫り物が見られるのも珍しい」と話す。拝殿内にも小林如泥作といわれている龍の彫り物や直政の書、多数の絵が飾られている。機会があれば紹介したい品々だ。

2008年12月1日 無断転載禁止