(29)筋肉けいれん

太ももやふくらはぎのストレッチング。壁にかけた脚や背中を真っすぐに伸ばす
症状で保温や水分補給

 運動中に起こる筋肉の痛みはいくつかに分類され、その一つに「筋肉けいれん」があります。一般には「足がつった」とか、「こむら返りをした」などと言われます。運動中に起こることが多いのですが、中高年者から「睡眠中に突然、足がつった」などと聞くことがあります。

 筋肉けいれんは、自分では意識していない(不随意)中で、自分では抑えられない筋肉の収縮と強い痛みを伴う状態とされ、大きく二つに分けることができます。

 一つは、運動中に筋肉を強く早く動きださせようとして、筋肉と神経の反射の感度が高くなり、興奮がさらに高まっていきます。この状態が続き、筋肉がつってしまうものです。もう一つは、熱中症の初期症状の一つである脱水による熱けいれんといわれるものです。このほか、精神的な緊張やプレッシャー、疲労、体内のミネラルのバランス異常、アルコールなどの影響が考えられます。

 磁気共鳴画像装置(MRI)検査では、けいれんをした筋肉の中にある血管がギュッと収縮してしまい、運動中の体内熱の放出ができない状態であることも分かります。このため、つった部分を冷たい氷水などで一気に冷やしてしまうと、かえって血管などが収縮してしまい、状態は改善しないでしょう。可能ならば、体温程度の少し温かいものを当てて保温するのが理想的です。

 また、つってしまっても局所のストレッチングで回復するタイプは、事前の水分補給(スポーツドリンクを二倍に希釈したもの)と準備体操のストレッチングに注意することが大切です。選手がわずかでも発熱したり、下痢だったりしたときは、特に筋肉けいれんを起こしやすく注意が必要なため、選手自身の自己管理や報告を促すとよいでしょう。

 大切な大会前には、数日前から意識して水分をとるようにしてください。頭部や頸部(けいぶ)を冷やし、脳に行く血液の温度を下げ、汗をすぐにふき取って発汗を促すのもけいれんの予防に効果があります。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2008年12月3日 無断転載禁止