大田・石見銀山めぐり意見交換

石見銀山遺跡の調査研究について提言するパネリストら=大田市大森町、石見銀山世界遺産センター
 「これからの石見銀山遺跡を考える」と題したしまね県民大学のパネルディスカッションが六日、大田市大森町の石見銀山世界遺産センターであった。パネリストからは、大田に残る多くの無形文化財を、遺跡とともに守り伝える大切さなどが提起された。

 同大学は「学びの世界遺産」をテーマに九月から公開講座とフィールドワークを開催。最終回のパネルディスカッションには四十人が参加した。

 同市教育委員会の大国晴雄教育部長が司会を務め、パネリストの三瓶自然館学芸員の中村唯史さん、市文化財保護審議委員の多田房明さん、石見銀山ガイドの会会長の和上豊子さん、県教委世界遺産室専門研究員の椿真治さんが今後の調査研究を中心に意見を述べた。

 多田さんは、銀山周辺にシッカク踊りや小笠原流田植えばやしなど優れた無形文化財が伝わっているが一部は存続の危機にあるとし「市民に価値を理解してもらい有形文化遺産とともに保存することが大切」と説いた。

 椿さんは、最盛期の銀山の様子を調べてアジアの鉱山と比較し、石見銀山の価値を明確にする計画を説明。仙ノ山の銀鉱床の研究に取り組む中村さんは、地下構造を分かりやすく紹介する映像づくりに意欲を示した。

 周辺地域との交流を重視する和上さんは「石見銀山を支えた美郷町や川本町などと一緒に文化財を守ることで銀山の意義が高まる」と強調。

 大国部長は、複数の文化財をまとめて保護する文化庁の歴史文化構想を紹介し「石見銀山には鉱山や町並みなどがそろっており、構想のモデルになる」と意義付けた。

2008年12月6日 無断転載禁止