浜田・紺屋町商店街の研究 浜田商高商業研究班

商売の基本は「信頼」 イベント通し活路探る

 毎年、地域の方々との交流を行っている島根県立浜田商業高校。私たち商業研究班は地元のケーブルテレビ「石見ケーブルビジョン」の方々の指導を受けながら「浜田の商業」について研究しています。今回は紺屋町商店街について調べたことを報告します。

 浜田商工会議所の紹介を受け、紺屋町商店街振興組合の平岡龍一理事長、大野博副理事長、段原良則宣伝部長に話を聞きました。


■高速道開通で客減少
 紺屋町商店街は、城下町浜田の一角として発展してきましたが、特に職人の町として古くは染め織物の工場、店が多くあったといわれています。町名はそれが由来で、現在でも紺屋町北通りに染め物店が営業しています。

 戦後、紺屋町商店街は繁華街となり活気にあふれていましたが、一九九一年の高速道路の開通により広島に客足が流れていきました。大型店も相次ぎ進出し、紺屋町の知名度は薄れ、空き店舗も増えていきました。


■お客の心知りたい
 危機感を持った商店街の皆さんは、まず消費者アンケートをしました。

 その結果、(1)知名度が低い(2)交通の便が悪い(3)路面が悪く歩きにくい(4)町全体が暗い-などの厳しい指摘を受けました。

 この結果を受け、商店街の皆さんは「人にやさしい 対話のある街」をコンセプトとし、多くの人に商店街を知ってもらおうと、市報や新聞への合同チラシなどで宣伝をしました。

今年のこんやまち秋まつりで行われた「未来のピカソ展」表彰式。家族連れを中心にたくさんの市民でにぎわった
 さらに、イベントを多数実施しました。春祭りの「春らんまん」、秋には「こんやまち秋まつり」。夏の土曜夜市も回数を増やしました。将来の芸術家を育てたいとの思いを込めた「未来のピカソ展」、園児たちが短冊に願いごとを書く「七夕フェスタ」、大人向けの落ち着きのある催し「月待ち」も考えました。

 行政の協力も得て道路のカラー舗装、街路灯の新設などを行いました。その結果、知名度も上がり、かつて十六店だった空き店舗も今では二軒までに減りました。


■触れ合いに重点
 平岡理事長は「商売だけを考えるのではなく、地域との触れ合いに重点を置いています。そして、信頼を買ってもらって初めて商品が売れるのです」と話します。さらに「市内の他の商店街も含め、商店街には商店街の良さがある。協力し合いながら、浜田の商業を盛り上げたい」とも言います。

 私たちは調査に入る前に、商業の基本は「顔を見て、話を聞いて、安心して、商品を売る」ことではないかと考えましたが、話を聞いて、あらためてそう思いました。浜田の商業がもっと盛んになるよう、私たちも何ができるかを考えなければ、と感じました。



商店街イベント紹介

 紺屋町商店街では次のような年末年始イベントを行います。出掛けてみませんか。

光りのこんやまち
 11月下旬から2009年1月までイルミネーションで商店街を飾ります。

水高市場
 12月14日11時から、浜田水産高校の生徒が出店し、加工品などを販売します。




学校紹介

 浜田商業高校(浜田市熱田町、生徒数422人)は、同市の西に位置します。学校からは、木々の緑や青い海が見え、とてもすてきです。学校は1964年のクリスマスに設置され、65年に開校しました。毎年、「浜商生が教えるパソコン教室」、「ウェブ確定申告講習会」など地域と密着した活動を行っています。これらの活動により、商業高校の授業で得た知識を地域の方々に還元し、また地域との交流を通して浜田商業高校についての理解を深めていただいています。



ケーブルTVと連携し番組作り 本年度放送目指す

 私たち商業研究班は選択授業の一つとして、今春から石見ケーブルビジョン(浜田市竹迫町)の方々と番組制作をしてきました。

取材を担当した浜田商高商業研究班のメンバー
 島根県教育委員会高校教育課、島根県商工労働部雇用政策課から話をいただいたときは、初めての試みで引き受けてよいものかどうか戸惑いましたが、地元商店街を知ってもらう番組を制作してはどうかと考え、やってみることにしました。

 私たちは、ケーブルテレビの方々を講師に、番組を放送するまでの手順やアドバイスをいただきましたが、番組の主体となる地元商店街をどう取り上げるかについては悩みました。

 そんなとき「不思議な心」を持って考えればどんなことでも番組にできるというアドバイスをいただきました。そう考えると、いつ商店街ができたのか、どのくらい栄えていたのか、など知らないことばかりでした。

 まず番組を制作するためには、主体となる商店街についてもっと詳しく知らなければならないということに気付かされました。そして、私たちは、浜田の商業の歴史や変遷をたどりながら、商店街について調べてみることにしました。

 制作中の番組は、卒業前に放送を予定しています。皆さん、見てくださいね。



私たちの提言 

商店街で若者ライブを
 取材を通し、商店街が発展するために何をすべきか、私たちなりに考えました。

 特徴ある商店街にするために紺屋町商店街の名前の由来でもある染め物を生かし、各店舗に暖簾(のれん)やそれを利用した置物を展示したりし、癒やしの空間を作ったりしたらどうでしょう。

 また、同商店街を活性化させるためには、主婦層だけではなく若者が立ち寄るようにすることが大切ではないでしょうか。

 そのためには若者を対象とした商品を取り扱う必要があります。しかし若者向けの店を出すことで、主婦層などの常連客の店離れが心配されることや、若者向けの商品を置いて失敗することを考えるとリスクが大きいという問題点も上がりました。

 そこで、若者によるライブを行ってみてはどうでしょうか。高校生でバンドをやっている人たちに発表の場を提供することで若者の集客が図られます。また、私たちが行っている番組制作や、今回の新聞掲載も商店街の宣伝になるのではと思うようになりました。これを機に私たちだけではなく、浜田商業高校の生徒が商店街を盛り上げる活動に参加し、若い力で浜田市を支えていかなければと思いました。



取材後記
 私たちは今回の取り組みの中で、浜田の歴史、紺屋町商店街の変遷、現状を調べ、浜田のことを少し知ることができました。この授業を通してテレビ番組制作の難しさや、今回の新聞掲載のお話もいただき、新聞製作の大変さを知ることができました。また浜田商業高校生として、浜田市の商業を支えていかなくてはならないということを実感しました。

 取材スタッフは次の通り。

 田中理紗子、西田千春、藤川巧矢、森岡康介、磯野ゆかり、久保淳、田中なつき、足立直樹(以上三年)

2008年12月13日 無断転載禁止

こども新聞