2:遺言書の作成

古津弘也弁護士
確実な公証人、自筆でも


 自分の死後、わたしたち夫婦と同居する長男に家を、離れて暮らす次男に貯金を残したいと考えています。家族には一応伝えていますが、あらためて遺言書を作っておく方がよいでしょうか。遺言書の作り方も教えてください。



 まず、亡くなった人(被相続人)が、遺言書を作成していなかった場合について説明します。

 遺産は法律で決められた割合によって相続されるため、必ずしも被相続人の思い通りに分配されるとは限りません。遺産の分配を巡り、相続人の間での話し合いが円滑に行われず、トラブルが発生するケースもあります。

 原則として、遺言書さえあれば、遺産は遺言書の通りに分配されます。死後に禍根を残さないためにも、遺言書の作成をお勧めします。

 次に、遺言書の作り方を説明します。作成の方式は何通りかありますが、ここでは代表的な「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」について説明します。

 「自筆証書遺言」の作り方は、遺言書の全文、日付、氏名を手書きし、押印する。これだけです。あくまで「自筆」ですから、パソコンで作成したり、他人に代筆してもらったりしたものは無効になります。簡単に作成でき費用もかかりませんが、遺言書の紛失や、第三者に遺言書を書き換えられる恐れもあります。

 そこで、遺言書としてより確実なものを作りたい場合は、「公正証書遺言」の作成をお勧めします。作り方は、公証人役場に出向き、二人以上の証人の立ち会いの下、遺言の趣旨を口述し、公証人に筆記してもらいます。

 ある程度費用がかかりますが、公正証書の作成権限を持つ公証人が作成してくれるため、作成ミスによって遺言が無効になる恐れがありません。遺言書の原本は公証人役場で保管されるため、紛失の恐れもありません。

 ただし、相続人には相続できる最低保障部分が設けられており、必ずしも遺言書通りに遺産が分配されるとは限らないといった事情もあります。詳しくは弁護士など法律の専門家に相談してください。


 ◇島根県弁護士会法律相談センター(電話0852・21・3450、予約受付時間は平日9-12時、13-17時)

共同通信社 2009年1月20日 無断転載禁止