石見銀山世界遺産センターで公開講座

石造物の研究成果から石見銀山周辺地域の特異性を報告する永井泰館長ら=大田市大森町、石見銀山世界遺産センター
 世界遺産に登録された石見銀山遺跡の魅力を探る石見銀山世界遺産センターの第一回公開講座が二十四日、大田市大森町の同施設であった。来待ストーン(松江市宍道町)の永井泰館長が、銀山周辺地域は島根県内で唯一、県内外の多彩な石造物の文化が流入し融合した特異性を説いた。

 永井館長は石見銀山周辺地域の神社のこま犬や灯籠(とうろう)などの作者や年代、特徴などを研究した成果に基づき同地域の独自性を報告。市民ら六十人が聴講した。

 調査成果によると、城上神社(大田市大森町)には江戸時代、大坂の名工・石屋平兵エが大坂の石材で制作し、大森商人が寄進した浪速型こま犬があり、石見八幡宮(同市仁摩町)の灯籠も石屋平兵エの作と判明した。

 石見八幡宮には同市温泉津町特産の福光石製のこま犬をはじめ、来待石と大坂の石材で作ったこま犬、赤名の石工が制作した鳥居も現存。宅野八幡宮(同市仁摩町)には、世界遺産に登録された広島の厳島神社のものと同型の尾道型こま犬が伝わる。

 永井館長は、同地域に福光石や来待石、大坂と瀬戸内の石材で作られた石造物がある背景に「銀山を中心とするさまざまな人の交流と動き、信仰があった」と強調。「多彩な石の文化が融合したことが分かると石見銀山の魅力が倍増する」と解説した。

2009年1月24日 無断転載禁止