(33)スポーツと栄養 偏らず上手な食事摂取を

エネルギー消費の大きいスポーツ選手の栄養摂取は、体の発達に加え障害予防の観点からも重要
 栄養と休養を家庭で積極的に取ることは、スポーツ選手の体の発達や障害予防の観点から非常に重要です。成長盛りの骨を作るには十分なカルシウムが必要なことはよく知られていますが、汗をかくと一緒にカルシウムも出ていくことは、あまり知られていないようです。

 汗一リットルからは約四十ミリグラムのカルシウムが排出されます。一日の練習では三-五リットルもの汗が出るので、一日に二百ミリグラムのカルシウム補給が必要になります。牛乳二百ミリリットルにはカルシウムが約二百ミリグラム含まれますが、腸での吸収は半分以下のため、四百ミリリットルの牛乳が必要になります。乳製品はカルシウム成分が凝縮されているのでお勧めですが、強い甘みがつけられた製品は余分なカロリー摂取につながります。

 カルシウムを吸収しやすくするため、日光浴やビタミンD(キノコ類、卵、魚類)の摂取を同時に行います。育ち盛りの女子だけでなく男子でも、血液や筋肉をつくるために体内の鉄分は不足し、貧血が起こりやすくなります。鉄分を多く含む食品はもちろん、ビタミンCやタンパク質を同時に取らなくては、効率よく鉄分を摂取できません。

 また、夕方から部活動などを行う場合は、運動前に野菜やハムの入ったサンドイッチ、総菜パン、おにぎりと、果汁100%のジュースを取るのが上手な間食の方法です。スポーツ選手は一般の人の一・五倍以上のエネルギーを消費すると考えてください。

 主食には米とパンのどちらが良いか、とよく聞かれますが、偏りなくどちらも食べましょう。ただ、クロワッサンは食パンやフランスパンの半分の糖質で四-五倍の脂質が含まれているので太る原因になります。海外遠征の多い選手もクロワッサンの摂取には気をつけています。

 成長期のサプリメント(栄養補助食品)は、必要ないものがほとんどかもしれません。家族団らんで十分な食事を取り、栄養について話し合うことの方が選手の能力を高める要素になると思います。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2009年2月11日 無断転載禁止