(17)加齢に伴う消化器の病気/食事は脂肪分減らして

「消化器の病気の予防には、定期的な検査や生活習慣の改善が大切」と話す田中新亮消化器内科副部長
松江市立病院消化器内科 田中新亮副部長

 消化器の病気は、高血圧症などの生活習慣病と関連があり、年齢を重ねることでも発症しやすくなります。栄養を取り込む働きがある消化器を健やかに保つため、普段の状態や食生活に気を配ることが大切です。加齢に伴う消化器の病気について、松江市立病院消化器内科の田中新亮副部長に聞きました。



 -高齢になると多くなる消化器の病気は。

 「中高年では胆石症や虚血性大腸炎が増えてくるほか、背中が曲がり腹部が圧迫されるため、胃酸が上がる逆流性食道炎も多くなります。消化器のがんも多くなりますが、検査の充実で、自覚症状がないうちに見つかるケースが増えています」


 -胆石症の症状は。

 「脂肪の吸収を助ける胆汁は肝臓で作られ、胆管を通って胆のうに貯蔵されます。胆汁にコレステロール分が多いと、結晶化して胆のうや胆管に石ができます。胆汁の流れが滞ることや脂肪分の摂取の増加が原因で、食習慣が影響する病気です。腹痛や吐き気、発熱が主な症状で、脂肪分が多い食事の後にみぞおちからやや右側が激しく痛むのが特徴的です」


 -胆石症の治療は。

 「血液検査や腹部エコー検査などで診断し、炎症に伴う発熱や強い痛みが続くときは、入院して絶食の上で点滴による抗生物質の投与を行います。再発を防ぐため、炎症が治まった後、原因に応じて石や胆のうを摘出する手術をします」


 -虚血性大腸炎とは。

 「大腸への血液の流れが一時的に低下した結果、大腸の粘膜に炎症や出血を生じます。突然の腹痛や下血があり、便秘が誘因になることもあります。高血圧症や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病と関係が深い病気です。治療は腸管の安静を保つために絶食し、点滴します。多くは一過性ですが、治る過程で大腸が狭くなると手術が必要です」


 -これらの病気で注意すべきことは。

 「虚血性大腸炎には大腸がんに合併するケースもみられます。胆石症は石があっても無症状の場合もあり、放置すると胆管がんなどになる可能性もあります。自覚症状がなくても定期的に検査を受けましょう。食事の脂肪分を減らすことや、高血圧症や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病を改善することも大切です」

2009年2月18日 無断転載禁止

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