4:遺産分割の調停

桐山香代子弁護士
全相続人相手に申し立て


 父が亡くなり、両親の住んでいた住居や土地、預金などの遺産をどう分けるか、母と兄弟三人で話し合いましたが、決着が付きません。裁判所に訴えるしかないと思っていますが、どうしたらよいでしょう。母は松江に、わたしと弟は東京に、兄は大阪に住んでいます。



 人が亡くなると、相続にまつわる問題が発生します。遺言が残されていれば、原則として遺言通りに遺産を分けることになります。

 一方、遺言がなく相続人が複数人いる場合、まず相続人間の話し合いで遺産の分割を決めることになります。話し合いで解決方法が決まれば、その方法により遺産を分けることになります。しかし、利害が対立し話し合いで決着が付かないケースも少なくありません。

 話し合いで決着しない場合は、家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てることになります。調停を申し立てたい相続人は、ほかの相続人全員を相手方として申し立てなければなりません。

 また、調停は本人の出席が原則必要になるため、申し立てをできる裁判所の所在地は重要なポイントになります。遠方の裁判所で調停が開かれるとなると、当事者の負担も大きく、弁護士に出席を依頼する場合も費用はばかになりません。

 調停の申し立てができる家庭裁判所は、申立人を除く相手方の住所地にある家庭裁判所であることが原則として決まっており、相手方が複数いる場合は、その中の一人の住所地であればよいことになっています。

 相談者の場合、相続人の話し合いが進まないということなので、遺産を分けるためには、家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てることが必要です。

 調停では、調停委員と家事審判官が当事者全員の意見や希望を聴きながら話し合いを進めていきます。この話し合いで当事者全員の合意ができれば、調停成立となり、その合意に従って遺産の分割を進めます。

 もし、調停での話し合いで決着がつかない場合は、審判という手続きに移行し、家事審判官が審理をした上で、強制的に遺産の分割割合が決められることになります。


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共同通信社 2009年2月23日 無断転載禁止