(34)ストレッチング

立位体前屈は息を深く吐き出しながら、指先を動かして行うと効果的
深く息を吐くことが重要

 山陰の冬は気温の低い日が多く、けが予防の観点からも運動開始前のウオーミングアップが最も大切な時季です。その中でも、ストレッチングは重要な位置を占めます。

 ストレッチング講習会などで指導して感じるのは、ストレッチングの正確な方法や意味を深く理解せずに行っている場合が多いことです。もともと筋肉は伸びる特性をもっています。柔軟性が向上しない場合は、ストレッチングの方法自体が不完全なためで、ストレッチングが効かないとか、体が硬いのは治らない、などと考えてはいけません。

 ポイントは呼吸です。息を吐いている間、筋肉はうまく力むことができないので、ストレッチング中は意識して息を深く吐き続けることが重要です。ストレッチング中に数を数える場面もよく見ますが、実は、それでも不十分です。

 例えば、両足をそろえて立ったまま、腰を曲げて手の指を床に着けようとする立位体前屈も、むきになって力を込めれば込めるほど、指は床に着かないものです。逆にひざの裏などに痛みを起こし、もとより悪くなってしまいます。

 同様な立位体前屈を息を深く吐き出しながら行うと、不思議なことに指は床に着いてしまいます。さらに、息を吐くと同時に体の力を抜くようにイメージしながら、人さし指と中指でつくった「小人の足」がトントンと向こうずねを下に向かって歩くように、指を交互に動かして行うと、さらに筋肉は緩んで体の柔軟性を取り戻します。

 また、入浴後など体温が上がって筋肉が最も伸びやすい状態のとき、ストレッチングの体勢で三十秒から一分間静止してみると、より効果は高くなります。

 ストレッチングの効果を出すまでには約三週間かかりますので、根気よく行いましょう。呼吸の仕方や手足の先を動かすストレッチングの方法は、体のどの筋肉にも応用できます。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2009年2月25日 無断転載禁止