5:夫からのDV被害

光谷香朱子弁護士
相談が解決への一歩


 もともと無口な夫は、気に入らないことがあると、「お前は家事もきちんとできないだらしない女だ」「無駄遣いばかりして駄目なやつだ」などと言い、舌打ちしたり、部屋の壁やドアを殴ったりします。反論すると、髪を引っ張り、頭をたたかれます。家に居るのが苦痛で実家に行くと、夫は「甘えてばかり」と怒り出します。心配をかけたくないので、両親には夫の暴力について相談できません。どうしたらよいでしょうか。



 主に、夫や恋人から女性が受ける身体的・精神的暴力のことを「ドメスティック・バイオレンス(DV)」と言います(言葉の暴力もDVに当たります)。テレビドラマでも取り上げられ、耳にする機会も多くなりました。

 相談者の場合も、言葉の暴力や身体的暴力を受けており、DV被害者に当たります。DVは人が人を傷つける違法な行為ですから、被害者は加害者に対し慰謝料を請求できます。また、夫婦の場合、離婚の原因となります。

 ただ、いまだにDVを単なる夫婦げんかととらえたり、妻のわがままをたしなめているだけで、むしろ怒らせた女性が悪い、などと被害者をさらに追いつめる発言がなされたりします。

 しかし、DVはいじめ同様、相手の自尊心を否定し、コントロールしようとする一方的な行為です。対等な立場であるけんかとは異なります。

 また、DV加害者の男性が一見まじめそうで信じてもらえないのではないか、悪いのは自分だと言われるのではないか、と被害者が相談をためらってしまう場合もあります。

 しかし、DV行為はエスカレートしていく危険があり、被害者自身も追いつめられ逃げ出す気力もなくしてしまうおそれがあります。子どもにとっても、緊張感の満ちた家庭で育つことは幸せといえるでしょうか。解決への一歩は相談です。まずは相談してください。

     ◇  ◇  ◇

 DVについての主な相談窓口は、次の通り。

 女性相談センター・松江(電話0852・25・8071)▽あすてらす女性相談室・大田(電話0854・84・5661)▽福祉相談センター・鳥取(電話0857・27・8630)

 ………………………………………………………………
 ◇島根県弁護士会法律相談センター(電話0852・21・3450、予約受付時間は平日9-12時、13-17時)

共同通信社 2009年3月10日 無断転載禁止