(35)複合的に起こるスポーツ障害

肩の関節のストレッチング。ひじを引っ張り出すように意識して行うことがポイント
痛みが出たらアイシング

 春めいた日も多くなり、新たなスポーツ活動の開始にも適したシーズンを迎えています。同時に、けがが起きやすい時季でもあり、スポーツの障害は全身の関節に及ぶことを知っておくことが大切です。

 一つの障害は、他の部位の障害を引き起こすことがあります。ジャンプのし過ぎから、ひざの皿の骨の下が痛く腫れるジャンパーズひざは、足首の硬い子どもに多い傾向です。ほっておくとオスグッド病という骨の病気になる可能性があり、アキレスけんや太もものストレッチングが予防になります。

 また、ひざの中には半月板という部分があり、階段の下りなどで急に力が抜けたり、曲げたひざが伸ばしにくかったりするときに障害が考えられます。急激に走る量を増やした場合に起きることがあるのは、内くるぶしの上や向こうずねの中央部の内側が痛くなるシンスプリント、俗に新人病といわれる障害です。初期の痛みは炎症によるものですが、ケアしないと疲労骨折に進行することがあります。

 野球やソフトボールなど投球による肩の障害も、足の故障が原因で起きているものがあり、野手でも起こります。投球中、ひざに痛みがあるとうまく体重が乗らず、腕の力だけでボールを投げることになります。腕だけで投げていると、ひじの軟骨がすり減ったり、肩の奥にある大切な筋肉がすり切れたりして、普段の生活にも支障を来します。このけがは年を取ってからの肩の障害にもつながります。

 予防としては、運動や入浴の後、体の一部分ではなく全身のストレッチングを行います。運動中に違和感や痛みを感じたら、まず運動量を減らし、痛みが出た場合は運動をやめて、痛い所にアイシング(冷却)を行います。痛みや腫れが引かない場合は整形外科などの医師に相談しましょう。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2009年3月11日 無断転載禁止