「石見で丁銀鋳造も」 西脇講師が講演で新説

丁銀の磨き方などについて新知見を披露する西脇康氏
 世界遺産に登録された石見銀山遺跡の魅力や歴史を学ぶ公開講座がこのほど、大田市大森町の石見銀山世界遺産センターであった。早稲田大エクステンションセンターの西脇康講師が元禄年間以前の江戸初期、京都にあった銀座の職人が石見銀山に出向いて丁銀を鋳造した可能性がある、などと新たな知見を説いた。

 西脇氏は、日本の貨幣史などを専門に研究し、同センター展示工事のアドバイザーを務めた。

 「銀座と銀貨」をテーマに講演した西脇氏は、従来、石見や佐渡などの鉱山から京都と江戸の銀座に銀が運ばれ、貨幣が鋳造された定説に対し、佐渡の文献資料から江戸初期、銀座の職人が佐渡で丁銀を鋳造したことが確認された事例を紹介。石見でも職人が派遣され鋳造された可能性を挙げた。

 さらに西脇氏は近年、国立国会図書館で新たに資料的価値が見いだされた「銀座巻物」に描かれた絵と記述内容を披露。絵巻から、銀座では職人が銀白色の輝きを増すために、梅酢をかけて丁銀を磨いたことが判明したと報告。世界遺産センターで梅酢の濃度や温度など最も良い銀貨の磨き方を実験研究することを提言。「銀の研究機関として国連教育科学文化機関(ユネスコ)などに情報発信し、子どもたちに体験させてほしい」と期待した。

2009年3月22日 無断転載禁止