6:離婚後の養育費請求

山田さくら弁護士
話し合いか家事審判を


 夫と離婚し、親権者になったわたしが、三歳と五歳の子どもを育てていくことになりました。養育費について何の取り決めもしませんでしたが、離婚後に養育費を請求できますか? 夫は会社員で、わたしは無職です。養育費はどのくらいの額になりますか?



 たとえ離婚をしても親子関係は継続するため、親権の有無にかかわらず、親は子どもの扶養義務を負います。したがって、子どもを監護していない親は、子どもを監護している親に対して、子どもの養育に要する費用「養育費」を支払わなければなりません。

 相談者の場合も、権利者である母親は、義務者である父親に対して、離婚後であっても養育費の支払いを請求できます。

 母親と父親の話し合いで養育費の金額を決めることもできますが、合意できない場合や、そもそも話し合いができない状況の場合は、権利者は家庭裁判所に養育費の支払いを命ずる家事審判を申し立てることができます。家庭裁判所の受け付けに、養育費を請求する申立書のひな型が置いてあります。

 養育費の金額は、当事者の収入、当事者が給与所得者か自営業者か、そのほかの生活状況などを総合的に考慮して決めることになります。しかし、養育費は、権利者や子どもの生活維持に不可欠であり、迅速に決める必要があるため、裁判所では一定の基準として「養育費の算定表」が作られています。

 相談者の場合、義務者である父親は給与所得者であるため、源泉徴収票の「支払金額」を収入として考えます。一方、権利者である母親は無職であり、収入はありません。この場合、父親の収入が三百万円であれば養育費は月四-六万円、六百万円であれば養育費は月八-十万円が目安になります。

 なお、いったん養育費の金額が定められても、当事者の生活状況や社会情勢の変動など「事情の変更」があった場合には、当事者の話し合いや家事審判により、養育費の増減が認められます。

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共同通信社 2009年3月24日 無断転載禁止