7:離婚の財産分与

射場かよ子弁護士
将来の退職金も請求可能


 結婚して二十五年になりますが、離婚することになりました。離婚に際し財産を分けてもらえると聞きましたが、住居や退職金も分けてもらえるのでしょうか? 分け方について基準はありますか? 夫は二年後に定年退職予定、わたしは専業主婦です。住居は夫が亡父から相続したものです。



 婚姻中の財産は夫婦の協力によって築いたものであり、実質的な共有財産と考えられます。このため、離婚に際しても、名義にかかわらず、夫婦の一方は他方に財産の分与を請求できます。

 例え妻が専業主婦であり、夫の収入で取得した財産であった場合も、その取得には家事育児という無償労働による寄与(貢献)があるため、分与の対象となります。

 一方、夫婦それぞれが婚姻前から有する財産や、婚姻後に相続や親族から贈与された財産は、原則として分与の対象にならず、これを特有財産といいます。ただし、夫婦の一方が維持に積極的に寄与した場合は、その寄与度によって分与の対象になる場合があります。

 将来の退職金については、近い将来確実に受け取ることができると予想できる場合には分与を請求できますが、金額をどのように評価するか、支払い時期をいつにするか、何年先の退職ならよいかなどは、事案によってさまざまです。

 財産分与の基準については、民法では「一切の事情を考慮」するという規定しかありませんが、これまでの裁判例では、財産形成に対する寄与の割合に応じて定めるケースが多いです。特別の事情がない限り、夫婦の収入差や妻が専業主婦か否かを問わず、平等に分与するという判例が確立されつつあります。

 相談者の場合、住居は夫の特有財産に当たるので、妻が住居の維持に積極的に寄与したという事情がなければ分与の対象になりません。退職金については、退職まであと二年という段階なので、分与できると考えてよいと思います。

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共同通信社 2009年4月6日 無断転載禁止