(39)高齢者の足腰の痛み

いすに座り、つま先を床に着けたままでかかとを上げ下ろしする腹筋の強化運動。ひざの負担軽減につながり、腹部をへこますように行うと効果が上がる
腹筋強化でひざ負担軽減

 高齢になると、日常生活でひざや腰に痛みを感じることが多くなってきます。痛みが出ると積極的に足腰を休めたり、湿布を張ったりしますが、これだけの対応では痛みを起こした原因を根本から解決するには至らず、繰り返し起こすことになります。

 関節の痛みは、筋肉が弱ってしまい、関節のぐらつきなどが生じた結果、体からのSOSとして伝わるのです。

 ひざの痛みを防ぐための強化方法には、特徴があります。ひざを痛めた場合、ひざの周りの筋肉だけを強化すればよいかというと、決してそうではありません。ひざの関節は、より体の中央に近い部分にある股(こ)関節と、より遠い部分にある足関節に挟まれているのが特徴で、ひざの安定を図るには股関節や足関節の筋力の強化も併せて行わなければなりません。

 しかし、これだけでも十分ではありません。おなかの筋力が効いていなければ、いくら手足の部分を強化しても、効果は低くなります。

 ここで、実験をしてみましょう。まずは姿勢を良くして歩いてみます。次におなかの力を抜いて腹筋が弱り、背中が曲がった状態の歩行を再現します。すると、自然にひざが前に出て足先が上がらず、つまずきそうになります。この場合、ひざに負担を感じるはずです。重要なことは、腹筋の強化はひざの負担を減らし、痛みの原因の解決につながるということです。

 腹筋の強化方法は、いすに座り、手をひざの上に置き、つま先を床に着けたままでかかとを上げ下ろしします。その時におなかをへこますように行うと、より効果的に腹筋を鍛えることができます。

 ひざや脚全体を鍛えることだけでなく、手足の支えとなる腹筋を鍛えることは、多くの治療体操でも効果促進につながります。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2009年5月7日 無断転載禁止