取材班・西郷中2年 隠岐について調べよう

島の「宝」再発見

 西郷中学校(隠岐郡隠岐の島町栄町)の二年生六十八人はこのほど、総合的な学習の時間を使って、「隠岐について調べよう」のテーマで隠岐の歴史、文化、地理などについて学習。それぞれが本やインターネットで調べたり、独自の取材活動を通して調査するなどして、パソコンのパワーポイント(プレゼンソフト)で作品を仕上げた。作品は写真やイラストなどをふんだんに使い、それぞれ苦心の跡がうかがえる。校内で発表会を開き優秀作品を選出したほか、六月には町内のお年寄りグループの集まりでも発表する。その説明文をもとに紙面を作ってみた。



民謡 福本汐音 しげさ節北前船で伝来
 私は隠岐の民謡『隠岐しげさ節』のルーツについて調べました。

 新潟県に盆唄(うた)として流行唄になっていた『しゅげさ節』、別名『野良三階節』という唄がありました。これが、江戸時代に北前船の船頭さんによって島前の知夫に伝えられました。それが『島前しゅげさ節』になりました。

 北前船は日本海側を通り、下関を経由して大阪に向かう航路をとっていました。当時は帆掛け船だったため、風がないと進むことができませんでした。大阪に向かうために沖で風を待つこともあったようです。その期間は、1カ月だったりもっとかかることもありました。そのため、隠岐には「風待ちスタジオ」や「風待商店街」と呼ばれる場所がいくつもあります。

華やかに繰り広げられる「しげさ踊りパレード」
 明治の初めに島後に伝えられて、『島後しげさ節』となりました。

 明治の中ごろから昭和の初めごろに、西郷を中心に島後全体に広がりました。それから1935年(昭和10年)に、故・吉田竜男氏と愛好者の方が「曲の基本を崩さないように、歌詞も誰でも親しめるようにしよう」と多少手を加えました。それが現在の『隠岐しげさ節』です。

感想
 知っているつもりでも知らないことがたくさんあってビックリしました。『しげさ節』がもともと新潟県で生まれたことが一番意外でした。なかなかこういうことを調べたりする機会がないので、今回は『しげさ節』のことがよく分かったのでよかったです。今度は、他の隠岐の民謡についても調べてみたいと思います。


牛突き 永島ひな桃 数多くの高度な技駆使
 隠岐の牛突きの最大の特徴は、黒毛和種だけを突き牛として使い、年齢は四歳を中心に二歳からせいぜい六歳までを適齢としていることです。「うしづき」と、「つ」を「づ」となまらせていうのは隠岐だけです。

勇壮な隠岐の牛突き
 勝負判定はすごく簡単で「闘志を失って逃げた方が負け」です。その中には、角が一度も相手に触れることなく勝負がつく、にらみ勝ち・にらみ負けというのもあります。

 次は牛突きの役主たちです。役主はたくさんいますが、先導役で牛、人間ともにケガのないよう土俵を清める人を「塩振り」、牛の鼻綱を持つ人を「牛いい」といいます。

 そして、一番重要な試合の時に牛をリードする人を「綱取り」といいます。この綱取りは牛を興奮させるために大きな声で掛け声をあげます。

 スポーツにいろいろな技術があるように牛突きにもたくさんの技術があります。

 例えば、基本技で双方が力いっぱい押し合うのを「押し」といいます。リフティングのことを「アゲ」といいます。その他に「突き」「はらき」「ねじり」「挟みつけ」「ほじり」など、牛突きには説明しきれないほどの技があります。

感想
 牛突きの技が多くてビックリしました!! 高度な技もいっぱいあったので、牛ってこんなことができるんだ! と感心しました。隠岐独特の特徴もあったので、守っていきたいと思います!!


オキタンポポ 角脇優花 外来種から守れ
 隠岐固有の植物「オキタンポポ」について調べたことを発表します。

 オキタンポポと似ているのがセイヨウタンポポで、その違いについて説明します。

 まず一つめは、もともとオキタンポポは隠岐固有の種で、セイヨウタンポポはもともとは日本になかった植物が近年外国から持ち込まれたものだということです。

 二つめは見分け方です。総包の外片がまっすぐで、先端に突起がないのがオキタンポポです。対して総包の外片が反り返っていて、先端にトゲのような突起があるのがセイヨウタンポポです。

セイヨウタンポポの抜き取り作業をする子どもたち
 三つめは種子の増え方です。オキタンポポは受粉によって種子をつくる有性生殖で子孫を残すのに対し、セイヨウタンポポは受粉によらず種子をつくる無性生殖によって繁殖します。

 四つ目は開花時期です。オキタンポポの場合、三月から五月までと短いのに対し、セイヨウタンポポは春から秋と長いです。

 セイヨウタンポポはオキタンポポのすみかを奪いつつあります。オキタンポポにとって一度セイヨウタンポポにすみかを奪われると、取り戻すのは容易ではありません。そこで近年、オキタンポポを守る運動としてセイヨウタンポポを抜き取るなどの運動が行われています。

感想
 調べてみて分かったことは、隠岐は他の島に比べ固有植物の種類は多くはないけど、隠岐の植物はとても貴重だということです。そして、その貴重な植物たちは私たちが守っていかなければならないと思いました。次にまた調べる機会があったら、もっと詳しく調べてみたいです。


岩石 藤田大勲 石器に使われた黒曜石
遺跡から見つかった黒曜石の石器
 僕は隠岐の岩石について調べました。

 黒曜石は、隠岐を代表する岩石の一つであり、古い時代に石器として利用されました。黒曜石の産地は、国内で五十カ所程度存在します。石器として利用されたのは、隠岐を含め数カ所です。その中でも隠岐の物は、日本海沿いの国内はもとより、国外にも運ばれており良質であったことが分かります。この隠岐産の黒曜石をたどると、当時の交流の様子がうかがえます。

 隠岐にある流紋岩はアルカリ成分(ナトリウムやカリウムなど)を多く含み、白っぽい岩石となっています。本土でも、これほど白いものはありません。この流紋岩を粉末にしたものが白い磁器の材料として使用されていました。

 粗面岩は柱状になるのが特徴で、隠岐には直径が一メートルくらいになるものがあります。これは日本国内でも最大級です。

 変成岩の一つの隠岐片麻岩には二十億年以上前の岩石が含まれており、日本最古の岩石とも言われています。道路工事のときに敷き詰められる砂利として利用されており、その中にはザクロ石(ガーネット)が含まれているものがあります。

感想
 隠岐の岩石について調べて分かったことは、隠岐には日本最古といわれる隠岐片麻岩があることです。この岩石には二十億年以上前の岩石が含まれています。僕は、隠岐に日本最古の岩石があることをすごくうれしく思いました。今度は世界中の岩石について調べたいと思います。いろんなことが分かって楽しかったです。


民話 田上つとむ 面白く怖い話多数
 私は、隠岐の民話について調べました。

 隠岐には、たくさんの民話があります。全部は紹介できないので、私がいいなと思った二つを紹介します。

 最初は『手打ちと半殺し』です。

 ある山奥におじいさんとおばあさんが住んでいました。ある日、旅人がやって来て「もう暗くなったから宿を貸してください」と言ったので、おじいさんとおばあさんは宿を貸してあげました。

 おじいさんは旅人になにかおもてなしをしてあげようと思って、おばあさんに「旅人に手打ちと半殺しを作ってやりなさい」と言いました。それを聞いていた旅人が「ここにいたら殺される!」と思い逃げてしまいました。おじいさんが言っていた「手打ち」とはそばのことで、「半殺し」とはぼたもちのことです。

 次は『産神問答』です。

 ある男の人が寝ていました。すると、声が聞こえてきて「お前の子どもが七歳のときにカッパに捕られて死ぬ」と予言されてしまいました。

 何年かたって子どもが七歳になって「釣りに行きたい」と言い出したので、男の人は子どもと釣りに出かけました。川で釣りをしていると、カッパがやってきて子どもを捕ろうとしたので、男の人は必死に子どもを守って子どもは助かりました。めでたしめでたし。

感想
 隠岐にも他のところに負けないくらい、面白い話や怖い話があることがよく分かりました。

2009年5月29日 無断転載禁止

こども新聞