銀山の栄華伝える「辻が花」再現の羽織公開

公開された「辻が花染丁子文道服(つじがはなぞめちょうじもんどうふく)」の再現品=大田市大森町、石見銀山世界遺産センター
 世界遺産・石見銀山ゆかりの国の重要文化財・辻が花染丁子文道服(つじがはなぞめちょうじもんどうふく)の再現品が1日、大田市大森町の石見銀山世界遺産センターで公開された。銀山の歴史的価値を伝える新たな資料に、来館者はじっくりと見入っていた。7月5日まで公開する。

 道服は16世紀末から17世紀初頭に上級階級の武士が羽織として使用。辻が花染丁子文道服は、石見銀山遺跡の釜屋間歩を開発した鉱山師・安原伝兵衛が徳川家康から贈られたと伝えられ、安原伝兵衛ゆかりの清水寺(同市大森町)に奉納され、現在は京都国立博物館が保管。同センターには原寸大の写真が展示されていた。

 再現は同市が、所有する清水寺の許可を得て約1千万円を投じ、京都の染色職人団体「染技連」に依頼。染技連は当時の絹織りで、現在は幻の織りと言われる「練貫(ねりぬき)」の再現に取り組み、試行錯誤の末、美しい光沢をよみがえらせるのに成功するなど、約1年かけて完成させた。

 同センターであったセレモニーには竹腰創一市長と清水寺を代表して先代住職の長女、尾崎道子さん(70)=同市長久町、染技連の矢野俊昭文化財修理所長(60)らが参加。展示コーナーで除幕をして、再現品の完成を祝った。訪れた観光客らは、オリジナルに迫る現代の職人の絞り染め技法による再現品を熱心に見入っていた。

 矢野所長は「染技連で長年培った技術があってこそできた。職人の苦労も感じてもらえたら」と話した。

 また、同センターで、矢野所長による道服制作過程についての公開講座も開かれた。

2009年6月2日 無断転載禁止