(41)高齢者の腰痛(下)

背中の筋力や柔軟性を高める体操。ひじを曲げて脇につけ、左右に広げたまま肩を上下に動かす
背筋鍛え姿勢の改善

 腰の痛みの中には、いつごろから始まったのか分からないくらい長い間、患っている慢性の腰痛症があります。この場合、原因がはっきりしないため、根本的な治療が難しいともいわれています。しかし、24本ある背骨をきちんと整列させられる筋力と、柔軟性を回復すれば、痛みを軽減し、腰痛の進行を防ぐことができます。

 高齢になると、背中やおなかの筋力が衰えて背骨は丸まってきます。これは腰痛の原因になるだけでなく、食べ物の飲み込みを悪くしたり、肋骨(ろっこつ)の動きを制限したりすることにもなります。胸の動きの低下は肺機能の不全を起こしやすく、インフルエンザや風邪による肺炎の症状などをより重症化させてしまう危険性が高くなります。

 自分の背中が曲がっていないか確かめてみましょう。いすに腰かけ、両手で万歳の格好をして、両腕を頭の上に上げてみます。両腕は耳の高さまで上がっていますか? 肩に異常がないのに、耳の位置の高さまで上がらない場合は、背骨が硬くなり、丸くなった証拠となります。肩は背骨がきちんと伸びないと、上がらない仕組みになっているのです。

 次に、背中の筋力と柔軟性を高める体操です。いすに座って手を尻の下に入れると、尻の左右に飛び出た硬い部分に触れます。この座骨という部分で体重を支えるように腰を伸ばし、姿勢良くいすに座ります。腕は両脇につけ、ひじを直角に曲げ、左右にできるだけ大きく広げます。外側へ広げたままの格好で、肩を上下に動かします。首の痛みなどがない場合には、天井を見ながら行うと効果的でしょう。

 正しい姿勢で背筋を鍛え、背中が丸くなっていくのを防ぎ、慢性腰痛の原因である姿勢の不良を改善しましょう。

 最近、空を見上げたことがありますか? 外に出て、大空に向かい、全身で伸びをすると、体も気持ちもリフレッシュでき、腰痛予防にもつながるでしょう。

 (松江総合医療専門学校理学療法士科専任講師・南場芳文)

2009年6月3日 無断転載禁止